第7話やる事成すこと

──────とある遺跡にて


「……なんだと?……私の絶対防御壁が破られただと?……それは本当か?ラブニエッテ?」


「あぁ親愛なるペスカトーレ……どうやらそのようだ。どこの誰だかわからないが、アカシックレコードを解析されてしまったぞ!」


「それが本当ならば我々の理想の敵が出てきたことになるぞ?!……くそっ不味いな」


「おぉ……親愛なるペスカトーレ!今こそ円卓ラウンドサークルを掲げるときだ!なあに我々に勝てるわけがあるまいて……」


「それはそうだがな。あのお方の理想の為にはやはり魔王達ディアボロ円卓ラウンドサークルの連中を集めねば……ちぃ……全く……今は勇者が出てきてこちら側としてはダモクレスの剣が正に触れるところまで来ているというのに……何をのんびりやっているのだ!」



ふむ。今の会話から察するにどうやらこの会話はこの世界の魔王たちのようだ。

……一応、大魔術を発動した時に反応したヤツらをしらみ潰しに探していたのだが、その結果まさかの魔王達の方の情報が先に入ってくるとは……


まぁいいか。別に私は勇者ではないし、何なら彼らと手を組むのもまた一興と言ったところか

然るべき動きをするためにも、っと危ない。


突然、画面が揺れて弾かれる。

なるほど気づかれたか。まぁこの程度に気づくのにこんなに時間がかかるとは……心底この世界はレベルが低いのだろうか?


『まもなくこの区域の魔力抽出が完了致します』


そんなアナウンスが脳内に届く。

「ご苦労。ノワール」

『光栄でございます』


私はゆっくりと立ち上がり周囲を見渡す。


辺りには無数の死骸が散乱し、その亡骸から行き場をなくした魔力が煤のように当たりを漂う


今、私がいるのはアルメリアの辺境地区。

ここから妙な魔力反応があった為、それの解析とついでにこの世界の分析のためにここに来たところ……まぁ案の定と言うかたくさんのがいた。

その数、実に千匹ほど。

それらはこの土地の地脈エネルギーを利用して生成されていた。


「確かに効率は良い、がしかしどうにも杜撰としか言いようがない」


まるでわざと変な形でこの土地を残しているようだ。


……もう少し調べてみるか。









──────数刻後。


は土地の1番中心に埋め込まれていた。

ぐるぐるに魔力吸収用の布を巻かれて様々な方向からチューブがくっつけられていた。

……

私がそれを剥がしたところ……


「なるほど……」


1人の少女がいた。一見すると寝ているように見えるが、そのからだから発する魔力は明らかにこの世界のものとは違うなにかだ。


「……誰…?…消えて……」


と、その少女が目を開けた。そうして語りかけてくる。

もちろん敵意むき出しだが。


「それは出来ないな、すまないが。」


「なら……消えなさい!……極滅ヘイブン神槍グングニル!」


轟音と共に辺り一面が火の海になる。

上空まで届く光の槍が彼女の手から放たれる。


「『量子クアンタム外殻シェル』。」


──────しかし、その光の槍が届く前にそのエネルギーを私の造った壁が包み込む


ぐるぐるとエネルギーが分散し、霧散し消えていく。

唖然とする彼女に私はゆっくりと語りかける


「さて、話をしようか。そう、ゆっくりと落ち着いた話を……ね」




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