試したい

ボーン

第1話 試したい(500字の小説)

大学生の時いつも考えている事があった。

授業を出席と見せかけていかにサボるか?

それと、試験の時にいかに上手くカンニングするか?

思えば、情け無い話である。

その結果、希望する仕事にも就けず

就いた所が、葬儀屋だった。

しかも、闇の葬儀屋だ。


闇と言うからには、表には出ない。

そう、遺体の処理屋である。


昨日はある男が、父親の年金欲しさに、父親の遺体を闇に隠し

生きている様に見せかける仕事だった。

3日前は、ヤクザの組長を殺した男に遺体の処理を頼まれた。

葬儀もせずに送り出す為か、異様な事態に最近私は、気が付きだした。


悪霊が私の身に取り憑いているのか?

死者の声が聴こえるのか?

それも、鮮烈な声である。


この仕事をやり出して二年、入社の動機は報酬の良さであった。

だが、最近は毎晩の様に、霊の声が聞こえてくるのか?

私は悩んだ末に退職届けを出す事に決めた。

退職届は、社長はすんなりと受けてくれた。


これで安心して暮らしていける。だが、その声は今も私に聴こえてくる。しかも更に強烈に!

「人の身体切り刻んで面白いかい?あんまり楽しむなよ!」

そう、私は人肉に刺さるナイフのあの快感が、たまらなく好きだ!


今度は、生きている人間で・・・。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

試したい ボーン @bo-n

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ