第41話 8月9日②…皆でフェリーへGO。
黒埼パーキングエリアを出発して少し走ると新潟西インターチェンジで新潟西バイパスへと下りて行く。ここからは朝の時間もあって通勤する地元ナンバーの車両が増えてくる。
道なりにバイパスを進んでいくと紫竹山インターチェンジ前で新潟駅方面へと進路を変えて栗ノ木バイパスを北上する。
栗ノ木バイパスを突き当りまで走ると正面に日本海を望む港が見えてくる。突き当りを右折して道なりに進みセブンイレブンを通過した先の信号で左折、すぐに右折すると橋を渡る。
橋の上からはこれから俺達が乗船する北海道行きのフェリーが遠目に確認ができる。
橋を渡り道を真っすぐに進んで北海道航路の看板を左折すると正面に新日本海フェリーターミナルが現れる。
…
新潟フェリーターミナル─
港内の誘導員に案内され俺と一花はバイクが並ぶ列へ向かって行く。ここで饗庭は車の待機している列へと向かい別れる。
「はあはあ…やっと到着した。時間は…。」
バイクを並んでいる列に駐車して腕時計を確認すると10時29分…本当にぎりぎりで間に合った。
「ぜえぜえ…下道って凄い暑いんだね…。」
俺と一花は汗だくである。高速道路を下りてからは速度も落ち停車する時間も増えてバイク自体のエンジン熱もあり一気に夏の暑さを体感する事となったからだ。
真夏のバイクは常時サウナ状態なのだ。
「うっわーフェリーってデカイんだね。近くで見ると迫力あるー。」
一花がこれから乗船するフェリーを見て驚いている。それもそのはずである日本で最大級の大型フェリーだからだ。しかも2017年製だからまだ新しいのだ。
「バイクも凄い数だね…皆これから北海道に行くんだ。」
「一緒に北海道に行く仲間達だね。」
バイクを下りて周りを見渡すとこれから戦が始まるのかというくらいのバイクが整列して並んでいる。周囲の匂いも排気ガスと加齢臭が混じり合った独特の香りがする。
当然だが北海道バイクツーリングには大金が必要だ、お陰で年齢層は中年以降のおじ様方が大部分を占めている。中には夫婦で来ている人も居るがここではっきり断言しておく。
絶対に北海道へ行く女子高生ライダーは居ない。
なものだから若い女子ライダーというだけで自然と周りから注目が集まる。しかもCMやグラビア、バラエティなど全国的に顔が知られている俺と役者として有名な一花が一緒なのだ。
俺と一花がバイクのヘルメットを外すと周りがざわつき始める。
「おい、あれってグラビアアイドルの結城ハルじゃないか?」
「そのとなりは役者の
「なんで有名人の2人がこんなとこに居るんだ。」
周りの一部のおじ様方に気付かれるが場慣れしている一花は気にしていない様子だ。周りも突然の有名人の登場に呆然としているので声を掛けては来ない。
「ハルー、喉がかわいたから飲み物買いに行こうよ!」
「そうだな、しばらく外で待つ事になるしフェリーターミナルで何か買おうか。」
貴重品をバイクの鞄から取り出してB&Yの帽子を被った俺と一花はターミナルへと歩いて移動する。
ターミナルの中に入ると左手に受付窓口があり付き添いマネージャーの
「ハルさーん、ちょっと車は時間が掛かるみたいです。」
「ゆっくりでいいですよ饗庭さん。乗船が終わったら車から私と一花の荷物お願いします。」
「分かりました。任せて下さい。」
フェリー内で一泊するので一泊分の荷物を小分けにしておいた。全部持ち込むと大変だからだ。北海道ツーリングはこういった事前の段取りが大事である。
ターミナル内の自販機で俺のCMでお馴染みのスポーツドリンクを購入して半分程飲む。
「プッハー!生き返るー。」
「うーん、この味沖縄を思い出すなあ…。」
沖縄のCM撮影を思い出す。暑い日差しの中、汗を出し尽くしてからこのスポーツドリンク飲んだ時も非常に美味しく感じたものだ。
「ハル、そういえば私達は受付しなくていいの?」
「フッフッフ…このQRコードがあれば大丈夫!」
カードホルダーを2つ取出しその中にe乗船券のQRコードが入っている。
フェリーの予約が完了するとこのe乗船券が発行されるのだがこれをプリンターで印刷、スマホに表示して持っておけば受付をしなくても直接フェリーに乗り込む事が可能なのだ。
「ほら、こうやって首に掛けておけば簡単だから。」
俺が一花の首にカードホルダーを掛けてあげる。
「んっ、ありがとね。こんな手際が良いんだからハルって絶対良いお嫁さんになるよ。」
「ははは…ありがとな。」
今のところ嫁に行く気は全くないが…。ちなみにスマホ内にも予備としてe乗船券を持ち死角の無い準備をしている。
「一花ちょっと悪いけど電話してくる。」
「了解ー、私はここで涼んでるね。」
俺はターミナルの2階へ上って待合室でハルの両親に電話を掛ける。
「もしもし、私だけど今新潟のフェリーに着いたよ。」
『うん、無事に着いたのなら良かった。北海道気を付けてね。』
ハルの両親には北海道へ行く事を伝えてあるが適時連絡をする様にお願いされていたのだ。
特に父からは毎秒連絡をしろと無理難題を言われ困惑していると母が裸絞めで父を治めてくれたのが思い出される。
『ちょっとパパに代わるね。』
『ハルぅぅぅぅ!!パパ寂しいよぉぉぉぉ!!早く帰って来てね!!』
「は、はは…お父さん少しの間だけだから。」
『変な輩に襲われそうになったらヤッちゃっていいからね!饗庭さんにも言っておいたから!!』
「私の知らないとこで変な約束しないで…。」
どうやら饗庭に父から良からぬ輩の抹殺指令が下されている様だ。剛柔流空手の猛者の饗庭なら確かに1人や2人は問題にならなそうだが…。
「じゃあそろそろ乗船するから電話切るね。」
『しっかり楽しんできなさいハル!事故には気を付けてね。』
母からの応援を受けて元々あったやる気がさらに出るというものだ。
10時30分過ぎとは言えいつフェリーに乗船出来るか分からない状態なので一花をターミナルで休ませて俺だけ自分のバイクに戻ろうとしたのだが。
「…なんか人増えてる。」
外の様子を見るとバイクの列に居るライダー以外にそれを囲う様に人だかりが出来ている。ほんの数分しか経っていないのにだ。
並んでいる北海道ライダー達もこの状況が分からないようで動揺している。
「んー…これもしかして。」
俺が自分のバイクに戻ろうとすると俺に気付いたファンであろう男が声を掛けてくる。
「グラビアアイドルの結城ハルさんですよね!」
「は、はい、そうです。」
嫌な顔はせず満面の笑みで答えるとその男が周りに声を掛ける。
「本物の結城ハルさんだぞーー!!」
(仲間を呼ぶな仲間を!)
一気に俺の周りに人だかりが出来上がる、とりあえず他の人の邪魔にならない場所へ移動して貰って一緒に写真やサインをしていく。
どうやら俺達の存在に気付いた北海道ライダーのおじ様の1人がSNSで情報を拡散した様だ。GWツーリングと同じパターンである。
だがこんな暑い中を俺に会いに来てくれたのだ…これに応えなくては男が廃る。
今は男じゃないですが…。
以前の流れでファン達の間では暗黙の了解として写真やサインを貰ったら他の一般人の邪魔、迷惑にならない様にする事が徹底されており、それを破る者がいたらファンクラブから破門である。
「うわーハルが人気だってのも分かる気がするわ。」
スポーツドリンクを片手に一花が俺の所へやってくる。すると一花のファンも居たようでちょっとした撮影会が始まってしまう。
「一花、悪い、巻き込んじゃったな。」
「いいって、2人でやれば早く終わるでしょ。」
…
しばらく臨時撮影会が続くと乗船開始のアナウンスがされる。
「あーサインや写真がまだの方、すみません。乗船開始のアナウンスが入ったのでここで終わります。」
「「「えーーーーーーーーっ!!」」」
俺がアナウンスを聞いて中断を申し出ると暑い中並んだ残念さと不満が残るファン達。ここで受付を終えた饗庭も登場して仕切りを始める。
「皆さま申し訳ございません、ハルと一花はこれから北海道に向かいますのでご容赦願います。」
饗庭が丁寧にお辞儀をしてお断りを入れると残念がるファンに俺が北海道ツーリングから戻る日を告知する。
「また23日にここに戻って来るので良ければサインや写真がまだの方はいらっしゃって下さいね。」
そう伝えると渋々と引き上げてくれるファン達、他の北海道ライダーの邪魔にもならず無事に臨時撮影会が終わる。
「ハルってこんな事ばっかやってたんだねー…普通じゃ体持たないよ。」
「大変だけど応援を貰えるって元気が出るし、こういう仕事を選んだ責任というのもあるからね。」
「くうー…やっぱりハルさんは最高です!」
一花が俺の体を心配する横で饗庭が俺の仕事振りに感心しきっている。頼られると弱いのが俺の良い点でもあり欠点でもある。
自分のバイクへと戻り乗船の準備を行う、何列か並んでいるバイクが次々と誘導員の指示に従ってフェリーへと入って行く。
自分達の列の順番が回ってくるとバイクのエンジンを始動して待機しておく。
「一花、中は滑りやすいから急ハンドルは禁止、ギアを1速に入れて駐車する時はクラッチを握ったまま先にキーをオフにする事ね。」
「オッケー!ギア1速入れてクラッチは握ったままキーオフね!」
実は慣れていないとギアを1速に入れてクラッチを離してしまう事がある。そうするとバイクがエンストして大きく動き転倒する恐れがあるのだ。
バイクが大型であればあるほどその衝撃が大きいので注意だ。
1速に入れる理由はフェリーが波で揺れてバイクが勝手に動くのを防ぐ為である。
「後はハンドルロックをしておしまいだから簡単でしょ?」
「ハルが教えてくれるから簡単だけど一人だと大変だね。」
初めて行った北海道ツーリングは戸惑う事ばかりだったが、この様に経験を活かせるというのは何か嬉しいものだ。
とうとう俺達の順番になり係員の下でチケットのQRコード読み込みを行う。それが終わると合図を貰いフェリーに繋がるスロープを慎重にバイクで登って行く。中に入ると船内の係員が行き先を指示してくるのでそちらに向かう。
壁際にバイクが綺麗に並べられていき、そこにも係員が居るので指示に従いその横に俺のバイクを駐車させる。1速に入れてキーオフしてサイドスタンドを立てる。
「ギアは1速入れてエンジンを切って下さい、その後はハンドルロックお願いします!」
係員が俺と同じ事を繰り返して言うが経験者の俺はすでに心得ているので素早く行う。
その横に一花のバイクが止まったので手伝ってあげようとするが言われた通りに駐車出来ているので問題はなさそうだ。誇らしげにこちらを見てピースをする一花。
「ところでハル、ヘルメットどうする?」
「この網棚の上に置いてもいいけど傷が付くから手持ちかな。」
駐車したバイクの上に網棚がある、俺はバイク用シューズを置きメッシュのスニーカーへと履き替えヘルメットと貴重品を持参していく。船内は予想以上に動くのでヘルメットを置く場合は転がっても良い様に柔らかい布などに包むと良い。
車両甲板の中央部にエレベーターがあるのでそれに乗って船室のある階まで上がる。すると船室のエントランスで部屋の案内を係員から受ける。
今回はツーリストA(女性専用)を案内される。扉はQRコードで開く仕組みに変更されている。以前はカード式だったのだが…。
自分のベッドにヘルメットを置くと預けた荷物を受け取る為に饗庭と合流すべくエントランスで待ち構える。
すると饗庭が大量の荷物を持って上がってくる。どう見ても俺が預けた以上に多い。饗庭が俺と一花の1泊分の着替えが入ったドラムバッグとサンタクロースの様な風呂敷を抱えている。
「ハ、ハルさんお待たせしました…。」
「ちょっと荷物多くないですか?」
「これ一花さんの追加分です…はあはあ。」
一花の荷物も俺と同じサイズのバッグが1つと、それにプラスされて大風呂敷が追加されている。
「色ちゃんご苦労様!いやーいっぱい入れたからね。」
「一花、着替え以外に何を入れたんだこの風呂敷。」
「それは後のお楽しみにしてねー。」
形状からして四角い何かの様だが今は置いておく。3人揃ったので自分のベッドへ移動して荷物を整理して部屋着へと着替えを行う。
もちろん中身おっさんの俺は2人の着替えを見ない様に外を向いて着替えている。
夏用のキャミソールに短パン、メッシュの踵を潰せるスニーカーに着替えて時間を確認すると11時47分、間もなく出航の時間だ。
「皆、そろそろ船が出航するからデッキから見に行こうか。」
「船の外に出れるんだ、行こう行こう!」
一花はTシャツにハーフパンツ、饗庭は半袖のYシャツに夏用のパンツスーツに着替えている。一花は初めてのフェリーで少し興奮している。
3人で一緒に船上のデッキへと出る。デッキにはすでに多くの乗客が集まっていて出航の時を今かと待っている。
カモメの鳴き声が聞こえてくる。カモメが船の近くを飛び乗客が投げるスナック菓子を上手く空中でキャッチをしている。
港の方を見るとすでに車両乗船用のスロープは外され係員の人達が停泊用のロープを外す作業を行っている。
12時00分になると出航のアナウンスと共に出航を知らせるフェリーの汽笛が鳴らされる。
『ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッーーーーーー!!』
港には係員の人達が横一列に並び出航するフェリーに向って手を振ってくれている。
俺達も手を振って応える。フェリーが少しづつ港から離れて行き見送る人が米粒の様に小さくなって行く。
毎年この流れは同じであり何度見ても感動をしてしまう。後はこのフェリーが俺達を北海道へと連れて行ってくれるのだ。
「汽笛の音凄かったー!お腹の中まで響いてきた。」
「ははは、大迫力だったろ。よーし!お昼でお腹が空いてきたしご飯食べに行こうか。」
一花が汽笛の音を初めて間近で聞きその大きさに驚いている。そしてお昼の12時00分から船内のレストランが開いて昼食が取れるようになる。3人でレストランに向い『国産うな重』を頂く。
船内は3つの階に分かれている。エントランスが4階、レストラン、売店があるのが5階、大浴場やスイートルームがあるのが6階だ。4階エントランス受付の辺りから6階まで吹き抜けとなっている。
食事を終えると俺は一花と饗庭を呼んである物を渡す。
「はい、食事も終わったからこれを飲んでね。」
「何この薬…まさか…。ハルあんたとうとう…一緒に自首しましょう。」
「一花さん…あなたが演技をすると割とシャレにならないので止めておきましょう。」
一花の演技に反応した周りの乗客が懐疑的な目を俺に向けてくる。それを察した饗庭がそれを止める。
「ただの酔い止めの薬だよ、船に慣れてないと酔うからね。」
船というのは天候次第で揺れ方が違うが良くてもそこそこ揺れるのだ。慣れていないと下船するまで吐き気と対峙する事になる。買い忘れても船内の売店で売っているので安心して欲しい。
「ほんっ…とうにハルってお母さんしてるよね。」
「ハルさんやっぱ素敵です…。」
一花は大丈夫だと思うが問題は饗庭だ、飛行機での件もあり濃厚饗庭汁の事前対策だ。それに吐き気で眠れないとなると明日にも影響が出るからだ。
2人が薬を飲むと次はバスタオルセットをレンタルして洗面用具を持って6階にある大浴場へと向かう。22時まで営業をしているが大量にかいた汗を早く流したい。
と大浴場女湯の暖簾の前で俺が立ち止まる…。
(以前の日帰り温泉と違って人が沢山いるのでは…。)
流石におっさんの俺が中に入るのは不味いしそれに一花と饗庭も一緒だ。二人の裸を見るのはおっさんコンプライアンス的にダメだろう。ちなみに一花とは一緒に住んではいるが必ず服を着て過ごす事を約束している。
「うーん…私は時間ずらして入るから先に2人で行ってきなよ。」
「はあ?何言ってんの?ここは家じゃないんだから一緒でいいでしょ。」
「私もハルさんと一緒に入りたいです…フヒッ。」
時間をずらして入浴作戦がいきなり破綻する、饗庭が薄ら笑いを浮かべているのが少し怖い。ここは正直に話した方が良いだろう。
「だから!2人の裸を見たらムラムラするかもしれないから後にする!」
「ハルあんたね!自分がやってる仕事は人をムラムラさせる事でしょうが!!というかそういう事散々してきてるでしょーが!」
「ムラムラして貰って結構です!むしろこちらがムラムラします!」
女風呂の前で女3人がムラムラ連呼をする異様な光景が広がる。
一花が言う事はごもっともだが饗庭はもう自分の性癖を隠す気が無い。二人に強引に連行されていく…最後の抵抗で胸とお股はタオルで隠す事をお願いする。
更衣室で服を脱ぎいつもの様に髪をゴムでまとめるとタオルでお胸とお股を隠しお風呂場に入っていく。もちろん俺の視線は内を向ているのでおっさんコンプラ的にセーフである。
船の大浴場の特徴として中央部に手すりが備え付けられている、船の揺れ対策だろう。そしてなんと露天風呂まであるのだ。海の上で日本海を望みながらゆったりお風呂に浸かれるのはここだけだ。
「ねえ3人いるんだしさ背中洗いっこしない?」
「一花さんナイス!…コホン、確かにもう誰かに背中を洗って貰う事なんて長年無いですからね。」
「わかった、わかった!その代わり正面向くなよ。」
一花、俺、饗庭という形でお風呂の座椅子に座って互いの背中を洗っていく。
「あー気持ちいい、背中の悪い付き物が落ちる感じ。」
「それは良かった、力加減はこのくらいで大丈夫?」
「ちょうどいいよー。」
一花が気持ち良さそうな顔をしている、そして俺の背中には結構な力で洗う饗庭が鼻息を荒くしている。背中に鼻息がかかってこそばゆい。
「フヒッ…ハルさんの背中やべぇ…。」
小声で言っているが俺には聞こえている。ちょっと嫌らしい視線を貰う女子の気持ちが理解できる。
「じゃあ交代ね!」
一花の合図で3人で背中の向きを変えて洗い始めるのだが、饗庭の背中が少しやばい。筋肉盛り上がり軽量級のプロの総合格闘家並に引き締まっている。
これなら北海道のヒグマにも勝てるのではないだろうか…まあ無理なんですけど。
「ハルさー…背中から胸はみ出てるんだけど。私に対する嫌み?」
「嫌みで胸を出す人はいませんや…一花さんや。」
嫌みで胸を出す人が居たらおっさんの俺も会いたいくらいだ。自分で言うのも何なのだが我ながらダイナマイトボデー(死語)だ。
ちなみに饗庭は俺がタオルを擦る度に俺がドン引きするくらい表現禁止の声を上げるのでここは割愛する。
体を洗い終えると3人揃って露天風呂へと向かう。
「っかああああああああああ。」
「ぷっ!何その声、ハルおっさん臭い!」
お湯に浸かる時のこの声…おっさんの癖は中々直らない。直ったのは酒と煙草くらいだ。一花におっさん臭いと指摘を受けるが開きなっている俺は無敵おじさんだ。
船の揺れと同期して露天風呂の湯が波の様に揺れる。まるで海の中のお湯に浸かっている錯覚さえ引き起こす。
俺の湯に浮いた胸も波に同期して揺れているがそこは気にしてはいけない。
青い空の下、日本海を眺めて3人一緒にお風呂で疲れを癒していく。
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