女神だって、成長するのだ。


主人公は女神さま。

この世界では、女神さまは恋をすることで、それぞれが守護する大陸を栄えさせるちからを持っています。
だから主人公も、恋をしなくちゃ、と思い詰めています。

でも、上手にできない。
それで落ち込んで、ずっと自信を無くしていて。

だけど、あるとき出会ったひとが、すべてを変えてゆきます。
変えるのは、ふたりのちからで。

まず、ね。
この、恋が大地を、世界を護る、っていう世界観がすごい。どこからこんな発想が出てくるんだろうと、恋愛脳をどこかに置き忘れて生まれたわたしなどは震えるのです。

そして、恋をしなきゃ、恋ができない、って悩む、自己肯定感の低い女神さま。人物像……神さま像の描写も丁寧で、すっと寄り添うように共感することができます。

出会いにより、女神さまは恋を知ります。
恋するこころを、思い出してゆきます。
その過程の、なんと愛らしくいとおしいことか。

悪役も出てきます。
わくわくする、手に汗を握る展開もあります。

でも、わたしはとにかく、自分のこころに不器用な女神さまが、恋を知ることで少しずつ少しずつ成長してゆく、強くなってゆく、その過程がなんとも、身を捩るほどに嬉しかったのです。

どうか、みなさま。
女神さまといっしょに歩いて、その成長を見守る。
そんな素敵な体験をしてみませんか。

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