女神の恋に揺れる世界

  • ★★★ Excellent!!!

女神が恋する事により、世界は育まれる。
水星の女神として生まれたメアリ。
それまで恋を知らず、水星の大地は荒廃へと向かっていた。
どれだけの男性を前にしても、恋なるものに辿り着けないのだ。

女神の恋が世界に安寧を齎すと言っても、その恋が理解できないメアリには難題で、落ちこぼれの女神とすら揶揄されていた。

では、恋とは、なんだろうか。

恋とは、落ちるものだ。

気晴らしに降りたメアリは、一人の人間の男と出会いその瞬間を実感する事になる。

恋をした女神のため息が薫風となり大地を潤す。
この表現だけで、女神の恋の偉大さが実感できる。
恋の芽吹きと、育みを同時に実感できるような、澄み切った文章が作り出す世界は、神々の恩恵を受けた幻想的な風景を堪能できる事間違いなし。

女神であるメアリの恋の行末がどうなるかを、ぜひ見届けて頂きたい。
オススメです。

その他のおすすめレビュー

さんの他のおすすめレビュー790