私はいつになったら死ねるのか

@nabichan

第1話 何も進まない進めない彼氏との旅行計画

前々から思っていた。この世界から逃げ出して誰もいない世界へ行きたい。


そう思ってになって初めて家出をした。


まだ厳しい暑さが続くお盆の時期に、みはるは彼氏と岡山へ行った。

旅行自体行く日だけは決めていたが行き先はなかなか決まらず、2週間前になんとか案を振り絞って提案したのが今回の岡山旅行だった。

岡山へ行くことを決めたのは、彼氏が好きな滝や鍾乳洞があって、二泊三日の旅行を今流行りのAIに相談したら、提案されたからだった。行ったことがなかったし、それなりに遠くてまぁいっかと彼氏に提案をした。旅行に行きたいと前々から行っていた彼氏は、日付を決めるだけで一向に行き先を決める気配がなく、せっかく休みをとったのにこのままでは旅行に行けないのではないかと不安になった。だからこそ提案したが、送ったラインは2日たっても既読にならず、イライラと本当に行く気があるのかと不信感でただただ未読のラインを見てため息をついていた。

しばらくして返ってきた彼氏からの連絡は宿泊先や行きたいところは調べておくね!とみはるが待ちくたびれてやっと来たかと期待したラインよりも全然簡素だった。しかし、みはるはラインが返ってきた喜びと旅行に行ける嬉しさでラインの内容なんてどうでもよかった。

行き先が決まり、ものすごくざっくりしたプランが決まり、彼氏の独断で宿泊先が決まり、旅行への楽しみは高まってきた。行き先を決めたのが2週間前だったが、彼氏の体調不良もあってお互いラインだけのやりとりで対面で詳しいプランを決めるということはしていなかった。そろそろしないとまずいと思った矢先、家のことが忙しいやら帰省することにしたとあまりにも自分勝手な彼氏の都合で会うことができず何にも決まらないままだった。旅行のプランを一緒に決めるのに抵抗がある彼氏に、それだけで連絡すると嫌な思いになるだけなので、良い彼女を演じて会えなくて寂しいなんてラインを送った。しかし、またしばらくラインが返って来ないことに不安になり、わがまま言ってごめんね、会うのを我慢する。なんてメンヘラちっくなラインを送っていた。

そんなみはるに彼氏は見向きもせず、全て既読無視になっていた。

このままでは本当に何も決まらないと思って重い腰をあげて彼氏に行きたいところリストをラインのノートに送ったみはるであったが、見ておくね〜とまたも簡単すぎる返事で終わり、追加の連絡は新幹線の乗車時刻の相談だけであった。彼氏が帰省していることもあり別々の新幹線で行くことになったが、何時にするかと具体的な連絡はなく、みはるが調べてスクショを送り、やっと乗る新幹線が決まるのであった。事務的な作業すらも一緒に行く彼氏はどうしてやらないのかと心に大きな何かをまた一つ作ったが、決して口にはしなかった。口にしたところで、何かが変わるわけでもないし、喧嘩につながることをあえて旅行前にする必要はないと思ったからだった。

楽しいのか楽しくないのかするよくわからない旅行に、義務行為として荷造りをすすめた。

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