この恋は近くて遠い

白井イシ

第1話

僕は人の笑顔が一番怖い。


桜が散り始めた5月。私は近くにメロディ―ランドがある高校に通っている。電車の中でスマホをいじり、登下校はイヤホンをしながら下校している。


5月1日この日も僕はいつも一人で登校していた。


(気のせいかな…友達と登校してる人増えてる?)


それは気のせいでは無かった。自分のクラスに行くと周りは友達と喋っている中、僕は一人で椅子に座りただスマホの画面をスクロールしている。


「みんなおはよう!」


元気よく挨拶するのはクラスの人気者で委員長の樋口夏子。クラスの皆も元気な挨拶に元気よく返事をしている。


樋口「ナラカイくんおはよ!」

半井「あ…おは…よ」

(上手く喋れなかった。話しかけてくれたのに。恥ずかしい)


僕はそんな自己嫌悪に陥ったが朝会のチャイムがその考え方から目を覚ましてくれた。


ー放課後ー

放課後になれば部活に行く人、バイトに行く人、近くのメロディ―ランドに遊びに行く人。様々だ。


勿論僕は家に直行した。


僕の家族は海浜幕張駅近くの団地に住んでいる。


「ただいまーって親仕事だったわ」


僕は自分の部屋に戻り、すぐにパソコンに電源を入れた。


おもむろにyoutubeを見るがどれも似たような動画ばかりでつまらない。


次々に動画を見て気が付いたら日が落ちていたので電気をつけた。そしてまた動画を見る。


食べながら。風呂に入りながらyoutubeを見る。完全に中毒だ。


そんな面白くない動画を垂れ流していると。次にある動画が再生された。


高校生が漫画家を目指す内容の動画だった。


動画に対してコメントは無かったが動画の本数は100本以上あった。どうやら2年前から動画を投稿し始めたらしい。


自分と同い年の人が目標に向かっている姿を見て僕は考えるより先に手が動いた.沢山絵を描いた。


しばらくたつと鳥の鳴き声が聞こえて来た。朝になっていた。


[動画を見て自分も描きたい欲が沸きました。ありがとうございます。]


そう動画にコメントを残した。


ー5月2日ある漫画家を目指すyoutuberの自宅ー


??「お母さんー学校行ってくるねー」



??「あ!コメント来てるー。なんてコメント返そうかなー」


??「遅刻しそうじゃん。急がないと」


??「間に合ったー」


??「みんなおはよう!」


クラスの皆「おはよー」


樋口「ナラカイくんおはよー」


半井「あ…おはよ」










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