0-1 少年、故に

1 フォータウン

水上都市オアシス。 

世界最高峰のこの都市の下町フォータウンで、俺とエジーは育ってきた。

ボロい家ばかりが並ぶ住宅街で、浮浪者や都心で落ちぶれてしまった人間がここに流されてくる。

そんな街の中で、寡黙で賢かったたエジーと俺は小学校の時に出会った。

少人数の教室の端っこで、静かに本を読んでるエジーに声をかけて、一緒に遊ぼうと外に連れ出した。

遊ぶにつれて、あいつとは一番の友達になっていた。


夏休みに入ってクラスの友達同士で山で遊ぶ計画を立てた。

少し開けた場所でサッカーをしていたが、一人が大きくボールを外してしまった。

一番近くにいたエジーが、僕が取りに行くと森の中に進んでいくと、大きなエジーの声が聞こえて、一目散に駆け付けた。


「エジー!!!大丈夫か!?」


森の中は道ができているわけではない。

走った先が急な斜面になっていて、エジーは転がり落ちていたようだ。

俺が助けなきゃ。

友達にはロープ持ってくるように指示を出し、俺は周りにある木々を頼りに斜面を少しづつ下った。


「エジー!怪我してないか?」

「ちょっと擦り傷ができたくらいだよ。でもボールが見当たらないんだよね・・・。」

「ボールなんてどうでもいい!とりあえずロープを使って上がろう。」

「ダメだよ!ボールないと遊べないし、それにガランのボールなんだから!

それに、またみんなでサッカーしたいからさ。みんなで遊ぶのってこんなに楽しいってガランのおかげで知ったからさ。」


嬉しかった。

ただそれだけで胸がいっぱいだった。

ボールをなんとか見つけて、ちょうどよく友達がロープを持ってエジーに戻ろうを手を差し伸べた。

ほどなくして俺たちはそれぞれ帰り道についた。

エジーは絆創膏を摩りながら、嬉しそうに笑ってたんだ。




───エジーの言葉がふとよぎる。




なぜか俺は急に聞きたくなった


何かに不安になったのか


それとも、あの瞬間をもっと嚙み締めたかったのか


わからないけど


俺はエジーとずっと友達でいたいって思った


こんな気持ちは初めてだった


自分とは何もかも違うエジーに


どこか心の繋がりを強く


強く感じていた





だから、聞いてしまった。





「エジー。俺たち、ずっと一緒の友達だよな。」


「ずっと一緒の友達だよ。ガラン、また明日。」


景色は、夕日に染まっていた。

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