迷宮救助隊 〜ダンジョン・レスキュー〜

柏木星凛(せいりん)

第1章 国王の決断

《迷宮救助隊 〜ダンジョン・レスキュー〜》


円卓の騎士団が戻らない。


この知らせは、バラッジ王国に 衝撃を走らせた。

円卓の騎士団と言えば、 過去から現在まで、 勇敢さと、稀なる技量を兼ね備えた、最強なウォーリアを集めた騎士の集まりとして、 国内外でも名を馳せる存在だった。

そんか彼らが、地下50階を超える最深のダンジョンと言われる、ナザリアの地下迷宮での、ミノタウロス討伐から戻らないと噂されて、

早くも40日が経っていた。


この状況を危惧した、 国王ベイシアは、彼らの所在を確認すべきと判断を下し、 バラッジ王国内の優秀な剣士、 そして、ソーサリー、ビショップ、マジシャンに声を掛け、 円卓の騎士団を探しに行く、 迷宮救助隊(ダンジョン・レスキューチーム)の結成することした。


ダンジョン・レスキューチームのリーダーには、バラージ王国揃って騎士と名高い、「カイル・アルライン」と、元円卓の騎士団出身のソーサリアン、「バートン・キラ」が選ばれた。


カイル・アルラインの起用は、 ともかくとして、 バートン・キラの起用は、 周囲の人々を大いに驚かせた。

バートンは、元々騎士団の中で、剣士として参加していたが、途中で、ソーサリーとしての才能が認められ、彼はソーサリアンとして、戦闘魔法に専念を希望。

しかし、円卓の騎士団の規定から、彼は、騎士団を除名された、 過去を持つ人物だから、 その因縁から、彼は、このダンジョン・レスキューには、参加しないという見方が大半を占めたからだった。

バラージ国に君臨するソーサリアンのダヤン・ナカは、 ダンジョン・レスキューチームの招集に、バートンを推薦した。

それは、バートン本人の希望であるとの、推薦理由が添えられていた。


バートンには、円卓の騎士団への遺恨の意がなかったと国王ベイシアは感嘆し、この参加への意思表明を歓迎した。


かくして、騎士カイル・アルライン、ソーサリアンのバートン・キラ、そして、ビショップのアリアナ・ザラ、アーチェリーと医療魔術の名手、メーサ・エマ、竜族の住む隣国ビザント王国で最強と噂される王国きってのパワードラゴン、ライジアは、円卓の騎士団のあとを追い、ナザリアの地下迷宮へ旅立つのだった。


物語は、出発の5日前からはじまる。

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