第14話 ビッグボスの妹分

12月1日、早速白神と田沢で店を回転させることになった。

田沢 良「確か今日から奥羽 壮の妹たちが来るだったよね。」

白神 恋「そうだったな。しかも俺たちよりも若いらしい。」

田沢 良「緊張するな...。」

白神 恋「安心しなよ。一日目からそんなに関係が上手くいくとは限らない。肩を抜いて行こう。それよりも、どうにかNYの目を掻い潜って立川から脱出したい...。」

そう駄弁っていると、女性2人組みが入店してきた。

???「あ、君らが新人従業員?」

白神 恋「ああ。それじゃもしかして...。」

???「そう。私もここの従業員。名前は奥羽 零。隣におんのが仁賀保 水。」

仁賀保 水「よろしく!」

田沢 良「よろしくお願いします。」


午前が終わり、昼休憩の時。

白神 恋「流石、手慣れたものだな。」

奥羽 零「まあ長らくここで働いとるからね。」

白神 恋「ああ。所で少し気になってるんだけど、姓が奥羽ってことは...。」

奥羽 零「そう。壮君の妹。て言うても義妹なんやけどね。」

仁賀保 水「僕も壮の妹だよ。」

白神 恋「奥羽って、何者なんだ?NYを立ち上げる前は何してたんだ?」

奥羽 零「米原会の三次組織の、若頭やってたよ。それで解散とともに、NYを立ち上げたって訳やの。」

仁賀保 水「うーんでも、ヤクザを続けたかったからだと思ったけど、最近不可解な行動が多くて、ますます目的が分からないな。」

白神 恋「最近奥羽 壮と話したりしなかった?」

奥羽 零「したで。君たちの事ね。立川から出しちゃダメだとか。」

白神 恋「やはりそうなのか。理由は?」

奥羽 零「いや、そら聞いてへん。」

白神 恋「そうか...。それじゃ、俺たちが帝都連合に所属していることは?」

奥羽 零「あ、そら聞いた。所で、帝都連合は港区の赤坂に本部を移したらしいで。」

白神 恋「おおまじか。遠いなぁ...。」

田沢 良「いずれにせよ、まずはNYの目的を測る為にここに滞在する必要があるね。」

仁賀保 水「もし壮に会いたいなら、立川第3ビルに行くといいと思うよ。あそこに拠点を置いてるから。今もいるか分からないけどね。」

白神 恋「なるほど。それはいい情報を聞けた。結構話してくれるんだな。」

仁賀保 水「うん。...実はね...ええと...いや、なんでもないや。」

意味深な発言そうだったが、特に深追いはしなかった。

奥羽 零「そやけど、壮君はあんまり歓迎して無そうやった。そや気いつけて。実際前に押し負けたんやろ?」

白神 恋「前はな。でもしっかり準備すれば次こそは負けない。まあ戦わずに済むならそれに越したことはないが。」

田沢 良「あ、そうそう。そう言えば戦闘用のガジェット組み直したから、本部に行くなら前もって言ってよ。」

白神 恋「お、ありがたいな。」


昼休憩が終わり、午後の時間帯。客が空いた頃。

白神 恋「思ったよりNYの構成員来ないな。」

奥羽 零「今主力はほとんど都内におるからね。」

白神 恋「そうなのか。」

奥羽 零「特に歌舞伎町が顕著。NYの実質的なナンバー2と3が直接取り仕切っとるくらいやし。」

白神 恋「そうか。その理由も分からないんだろうな。壮とは兄妹ということ以外、どう言った繋がりなんだ?」

奥羽 零「一応ウチらNYやねんな。作戦に呼ばれることはあまりないけど。」

仁賀保 水「最近は行事の時に会うくらいかな...。」

白神 恋「あと、NYの内部事情について知ってることは無いか?奥羽以外の幹部とか。」

奥羽 零「まず、東風谷 華と言うのがいてね、女性なんやけどNYでもナンバー2。ほんで千秋 大君てのがナンバー3で、壮君とは兄弟の関係。2人とも都内におるけど...会津高原 希なら立川に残っとると思うわ、。」

白神 恋「ほう、どんな人物像だ?」

奥羽 零「めっちゃ冷徹な子ね。ウチらよりも少し年下やけど、NYの切り札とか言われてて、なん肩書きも無いけど実質的な実力はめっちゃ上だとおもう。普段黒装束で、首元刺青てるからわかりやすいと思うわ。」

白神 恋「そうか。それだけでもかなりありがたい。」

ふと、寿司屋で壮に聞いた話を思い出した。

白神 恋「斑目 渡を存じ上げてるか?」

奥羽 零「?いや、知らんな。」

白神 恋「そうか。」

斑目さんと繋がっているとして、NYの上層部だけとか。それでも納得できる。結局奥羽に会わなければなのか。

大盾 馨「正直、都内に勢力を広げるのには反対だったのよね。壮も同意してたのに。何を考えてるのかしら。」


本日の業務終了後

奥羽 零「なんかほとんど壮の話になっちゃったね。今度はさ、恋君の話も聞かせてよ。」

白神 恋「ああ、済まない。俺も急にここに連れてこられて、もう色々疑問が湧き出てな...。約束しよう。」

仁賀保 水「それじゃあね。」


田沢 良「信頼できそうだね。」

白神 恋「俺もそう思う。即決する訳には行かないが。」

田沢 良「何にせよ、結局の所自分の足で調べなきゃね。」

白神 恋「そうだな。」

奥羽が俺たちをここに連れてきた理由、NYと斑目さんの関係、そしてNYが敵か味方か...。明日からが正念場だ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る