第13話


弥生へ


これが僕からは最後の手紙です。もう連絡先も消して、お互い別の人生を歩んでいかないか。

実は婚約をした女性がいるんだ。君に星形のダイヤの指輪も買ってあげたかった、東京の可愛い小物やお洒落な雑貨も送りたかった。

だけど、君は頑なに拒否していたよね。それは、やっぱりお互いが信頼し合っていない偽物の関係だったから。むしろ殺意さえ抱いていた相手だから仕方ない、そう思ったら猛烈に寂しくなって。そんな僕を慰めてくれる人が出来たんだ、彼女にはきちんと過去のことは打ち明けてある。

君に、弥生に何も送れなかったことが僕の最後にして最大の悔いだ。

せめて何か贈れるものがあれば―――と、そう思う。もしも欲しいものがあったら書いて返信してください。


真人


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