コンセプトとそれを継続するのは大切だねって話(2)

 前半部分で書いたのは、考えてみると当たり前すぎる話である。


 読んでるうちに別のジャンルになってたらそりゃブラバするよね?

 今さらっと、『ジャンル』と言ったが、ジャンル意識は本当に当たり前にみんなの意識に入っているのである。すべての物語は、読者の脳内で類似のお話と関連づけられ、カテゴライズされる。


 なので、書き手も常に考えなければならない。


 今書いている話は、ジャンルとしては何に当たるんろう? このジャンルを読みに来ている読者は何を求めている? 同ジャンル作品はどうしている? 期待されている展開はどうだ? 


 作品を書いている時、往々にして『客観性』が失われる。


 これはプロの作家や漫画家さんでも良くある事だそうだ。その中でもジャンルが変わる、は大きい脱線である。みんな面白くしようとしているのだ。だが、先々の展開やプロット、隠されたテーマまで知っている作者と、読者では基礎知識に差がある。


 作者のもっと劇的な展開を! とか、この方向性飽きてきたからこっちへ! はだいたい失敗する。実際は読者は先先まで知らないからまだ飽きてないし、その劇的な展開は望んでなかったりする。どんでん返しは、どんでん返しをテーマにした小説でやればよい。


 客観性の維持。

 基本的な事だが、大事なことだ。


 この話には何が求められている? を常に問い続ける。読者と対話する。それが必要なのだと再認識した。


 そして戻る。

 どうすれば維持し続けられる? どうすれば、期待値を回収し続けられる?


 答えは、「コンセプトをタイトルに盛り込む」だ。


 ◆コンセプトをタイトルに盛り込め! わかりやすく話が逸れないぞ!


 コンセプトをタイトルにしてしまうのは大きな利点がある。

 読者に提示する「こんな話だよー」が過不足なくできることだ。


 コンセプト通りにタイトルをつけ、本文も書くのだから、期待値のミスマッチは起こらない。


 起こるとしたら、コンセプト自体に魅力がない。だ。

 そんな小説は書いても伸びないし、案の時点でゴミ箱に投げ捨てるのがよろしかろう。

 

 コンセプトがすべてだったのだ。考えるべきはコンセプト。

 文才とか要らんかったんや!


 まぁ、この論法で帰結するのは


『そこまで魅力あるコンセプトをひねり出すのが大変だよネ?』って話である。


 コンセプトを連呼し続けて、そろそろゲシュタルト崩壊を起こして来た。コンセプトってなんだっけ? まぁ別の言葉で言いなおすとログラインだ。


 ~~が~~して、~~~する話ってやつ。


 ここの選定が上手くいけば、テンプレでなくとも、名作を生み出せるんじゃないかなー。自作がテンプレの源流になるような新ジャンルが生まれるはずだと思う。


 ◆八軒の書いてる新作(の内の一つ)はどうだろう?


 今八軒の脳内には3作のプロットがある。


 一応3作ともカクコンに出すつもりなのだが、進捗が芳しく無さ過ぎて2作になるかもしれない。その中で先鋒切り込み隊長として出すつもりなのがこちら。



 ――――――――――――――――――――――――――

 ◆タイトル

 天才陰陽師Vtuverの私がダンジョンマスターになったら攻略しにきた探索者が全滅したっぽい? 式神ダンジョンにようこそ!


 ◆キャッチコピー

 魔物も探索者さんもヨワヨワすぎぃ~❤️ リリカナ様が滅してあげる♪


 ◆照会文

 暴言メスガキムーブで視聴者たちを煽っていたVtuber芦屋リリカナはファンがはなれ爆発四散した。今の流行りはダンジョン配信になっており、Vtuberの時代は終わっていたのだ。


 リリカナの中の人、自己顕示欲と暴力性が抑えきれない奏詠歌(かなで・えいか)は考えた。「私もダンジョン配信をすれば視聴者は帰って来るよね。可愛いリリカナ様がダンジョンに現れたらそれはもうドッカンドッカン人気者になるに違いないよ!」


 詠歌はただの女子高生ではなかった。星奏流(せいそうりゅう)退魔陰陽術の後継者でもあったのだ。意気揚々とダンジョンに忍び込む詠歌は、ダンジョンの奥で真っ白い竜の幼体に出会った。その姿に詠歌はひとめぼれ。貴重なダンジョン生物は高値で取引され、乱獲されているのだ。


 その竜をよこせ! と殺到する探索者に詠歌は宣言する。

「白竜ちゃんを害するなんて許せない……、邪魔するなら……全員ぶっとばすよ!!!!」


 貴重な白竜を確保したい探索者たちと、美少女天才陰陽師Vtuber芦屋リリカナの白竜ちゃんをめぐる、血で血を洗う攻防戦。ダンジョンディフェンス配信がはじまったのだった。(仮あらすじ)

 ――――――――――――――――――――――――――


 ジャンルは、『ダンジョンディフェンス配信』だ。

 いう間でもなくダンジョン配信の亜種だが、ディフェンス物なのがキモである。

 殺到する、探索者たちを主人公がなぎ倒したり、罠に嵌めて高笑いする話だ。


 ログラインは

『リアル陰陽師の主人公がおじさん探索者さんを煽り散らしながら、ダンジョン防衛をして高笑いをする話』


 既存のダンジョン配信と違うのは、主人公はネットで称賛されず、むしろ炎上するところだ。だがその様を詠歌=リリカナは爆笑しつつ、煽り散らす。そのやり取りが面白いところである。


 自分で書いてて、なかなかの実験作だなぁと思う。

 炎上系youtuberが主人公なんてなぁ!!??


 この方向性でもう動き出してるので、大きく変える事はないけれど、もしよかったらこの案を見た読者さんはそれぞれの率直な感想を書いてみてくれると嬉しい。


 このコンセプトが魅力的かどうか。

 客観性をもっているつもりで判断した八軒は、面白いと思っている。



追記:コンセプトもキャッチコピーもタイトルに入れれてないじゃん!?

 まぁ、ニュアンスが一致すれば解釈違いは起こらない……はず 


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