第6話 テスト期間の過ごし方。

今日から期末テスト。

みんなが憂鬱としているが、私はとてもラッキーなほうだ。


何故なら午前中までに帰れるからだ。

まぁ、テストなんて赤点取らなければ大丈夫だ。———勉強のほうは理沙さんが遊びに来た時以外、やっていないけど。


あれからアオイと理沙さんは仲良くなり本当の姉妹のようになってしまった。

だが、相変わらず、お互いあだ名がへんたいさんとツンデレさんと変わらなかった。


そういえばこの前、風呂から上がった時だったな。

二階に登っているとアオイが降りてきて、さりげなく。

「あ、そうだ。今日はへんたいさんに会ったの。」

「えっ、会ったよ。学校の昼休みに毎日、一緒に弁当食べてるんだけど。」


そう。と言ってアオイはそのまま下に降りって行った。前までは無視同然だったけど。

その前の日には、今度は理沙さんが、昼休みで言われた。

「あ、そうだ。ツンデレさんとはそのあとどうなの?」

「えっ…どうって。」

「あの子とは仲良くやっているの。」

「アーー。イヤ。あっているかどうか分からないんだ。私のほうはちょくちょく出てくるから散らかし放題。おかげか片付けが終わらないだよな。」

「そうなんだ。」

暇ならアオイのほう行けよな。と私はごはんを食べた。

そっから理沙さんは何も言わなかった。

あれは一体なんだろう。私は二人の関係は縮まっているのだろうか。縮まっていると思うとゾッとした。

今、私は図書館で本を読んでいた。

小説は読めないが、怪談本や図鑑をパラパラと読む。勉強する気がしない時、掃除をしない時、何もしたくない時に来ている。いわゆる暇つぶしだ。


今日は日本昔話を読んでぼーっとしていた。なんでこれを読んでいるのかは、ある話が気になった。これは…。っと思ったとき。

「ざしき…わらし。」

「わぁ。」

突然、女の子が出てきた。

山口さらさんだ。

「あ、お久しぶりです。」

「いやー。久しぶりも何も、急にいなくなってびっくりしたよ。」

びっくりはしていないが。

「ごめんなさい。ちょっと用事ができたので。」

さらさんは少し落ち込んでだまった。まぁ、いきなり消えるのはどこの誰かがやって慣れているからいいけど。

「あ、そうだ。ある少女について調べていてこの話、見つけたんだけど。」

私はさらさんにざしきわらしの話を見せた。

「あっ。先ほど言っていた子ね。私の妹じゃないかって知らないわ。」

あれ、私、さらさんに行ったっけ…。イヤ、言っていないな。話してもいない。これってさらさんのしわざなのか。

私はさらさんのことをみつめていると。

「ん。…何か。——もしかして、私に興味あるんですか。」

「なぁ‥‥。」

顔を真っ赤になって、同時にちょっと大声を出してしまった。

そして周りは私を見た。睨むように。

一瞬、黙ってあらためて席に座り、改めて言った。

「興味ないって言うとウソになるけど今は少女のことかな。」

「そう。」

さらさんは少し冷めた感じになり、私の話を聞いていた。

「家に住み着いた時には家が繁盛する。五歳から十歳の子供って、少女のことに近いけど、私、幸福にはなっていないだけど。」

「そのほかには。」

「うーん。部屋の片づけが半分くらい終わっていることくらいかな。」

「地味ね。」

「そうなんだよね。…ってあれ?」

私はさらさんのほうを向くといなくなっていた。何しに来たんだとそう思った。

テスト期間に入った——。

私はある程度、埋めてから終わるまで眠りに入った。赤点さえ取らなければ点数なんてどうでもいい。

———テスト一日目が終わった。ようやく帰れる。そっからはゴロゴロしてゲームでもしてよう。と思っていたら理沙さんが来た。

「美希さん、今日は難しかったね。英語。」

「はは、私は英語なんて0点でいいよ。勉強しても分からないからね。それに赤点は3教科まで取らなければ追試にならないから、ほか、頑張ればいいやっと思って。」

「それもそうね。私も数学苦手だから、手、抜こうかな—。」

「イヤ、理沙さんはやらなくっていいよ。学年上位に入れないよ。」

「別にいいよ。争うのあんまり好きじゃないから。そうだ。これから何か食べに行かない。」

「あー。ごめん。テスト終わりでいい。今はお金持ってきてないから。」

「そうなの。家とかは。」

「家は今、遊べない。アオイも誰も来させないようにしろよ。と言っていたから。」

「分かったわ。じゃ、また明日。」

そう言って理沙さんはそのまま帰っていった。


テスト期間は一人になりたいからな。理沙さんには申し訳ないが———。

それじゃ、帰ってゴロゴロしてますか。と私はスキップしながら帰った。

テスト2日目———。

漢字が怪しかったが、まぁ、いいか。40点くらい取れば赤点にならないからね。

私は家に帰ってゴロゴロしていた。

「今日は早いなのだー。」

少女が現れた。

「あー。テスト期間に入って早く帰ってこれるからゴロゴロしていたんだよ。」

「だったら遊んでなのだ。」

少女が私の髪を引っ張り始めた。

「いたい。いたい。分かった。分かった。遊んでやるから、ちょっと一回離して。」

素直になったのか。少女はいったん離した。

その瞬間。私は布団をかぶってまたゴロゴロし始めた。

遊んでやるもんかテスト期間は後一日だけだからその間に休みたいもんだよ。


少女はプクーっと怒り、私の布団を蹴り始めた。何度も蹴り続け、しまいに顔当たりのほうを踏んだりもした。だが、ココは耐えなければ、耐えなかったら少女と遊ばなければならない。そうするとヘトヘトで疲れて終わってしまう。

激しい攻防を据え耐えていた時。

「うるせーーぞ。!静かにしろ。何やっているんだ。お前ら。———やるなら外でやれ。」

アオイがドアを開けて怒鳴ってきた。さすがの私と少女はシュンとして反省した。

アオイがドアを閉めたら、少し無言になって私が最初に話した。


「・・・・んじゃ。人形でも遊ぶか。」

少女はこくりと何も言わずにうなずいた。怖かったんだな。

テスト期間、最終日。————

私は部屋の掃除をやっていた。部屋の半分がキレイになっているが片づけてないところがいっぱいある。

いろんな書類を整理していると、アオイがいつものように部屋に入ってきた。

「相変わらず、汚い部屋だな。」

「うるさいなー。じゃ、入ってくんなよ。」

「マンガ取りに来たんだよ。」

そう言うとアオイが、散らかっているところを無造作にかきあげ、投げていった。

「おい、投げんなよ。せっかく片づけたのに。」

「また片付ければいいだろう。いつも動かないから。———ところでマンガ本はどこ。?」

そこに置いてないのか。と本棚を指さした。

振り向いて、アオイは動き探した。

「姉ちゃん。見つからないけど、後、どこに置いての。」

「そういえば他のマンガはどこに置いたんだっけ。」

「まったく、管理しろよな。」

そして、私とアオイは再び探し始めた。


—————1時間後。

「わり、わり、そういえばベットの下に置いてあったの忘れてた。」

「きったねー。姉ちゃん、そこは2回くらい見たでしょ。結局、私が見たが、案外分かりやすい場所にあったじゃないか。」

アオイはマンガを取って自分の部屋に戻ろうとした時だ。

「そういえばテストどうだったの。」

「テスト。あー。大丈夫だ。追試が間逃れた。と思う。」

「予想してやるよ。たぶん追試だよ。きっとね。」

アオイはニヤッとしてドアを閉めた。

相変わらず嫌な奴だがアオイの予想は私にとって無にしとしいよ。

数日後。

———テスト結果が出ていて。みんなが少し混み合っていた。

落ち込んでいつ奴。

喜んでいろ奴。

いつも通りの奴がほとんどだが。

そして私は結果表をみて、驚いた。


————追試だ。

どこが良くなかったのか。

もしかして現代文と数学か。結構難しかったからな。

特に図形と確率は全然わからなかった。

「美希さん。」

れ差さんが来た。

「残念だったね。私も勉強、手伝ってあげるから。」

励ましているのか。私は振り向き、引きそうな顔をしながら理沙さんを見た。

それもそのはず。理沙さんは赤点なしの学年2位の順位だからだ。

「あのー。気持ちは嬉しいだけど、からかっているんですか。」

「からかってない。からかっていない。私は美希さんに元気をつけようとしただけだよ。」

「そ、そうなんだ。ごめん。ありがとう。」

そう言ったら理沙さんのほうを見ずに私はへこみながら教室に歩み寄った。


—————川村家。

家に帰り、へこみながら私の部屋に入ろうとした瞬間。

「あーー。姉ちゃん。その顔は、追試あったんだね。私の予想通りだ。」

アオイがニコニコしながら部屋から出てきて下に降りて行った。


追試か———アオイにも手伝わせよう。そう思ったのであった。



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