第5話 四人で勉強会。

「ねぇ、今日、美希さんの家に行ってもいい。」

突然、理沙さんはいつもの倉庫の裏で弁当を一緒に食べていた。

「えっ、あー。・・今日はごめん。ちょっと考えさせて。」

分かった。と言って理沙さんは止まった手を動かし、弁当を食べた。

そろそろ期末テストが近いから、誘ったんだろう。

けど、私の部屋は、散らかっている。


少しはそうじはしたが人には見せられない。特に理沙さんには。

考えて、考え込んで、弁当を食べ終わった。

「それじゃ先に行ってるね。」

理沙さんは倉庫を後にした。

手を振り、遠のいたのを確認したら。少女を呼んだ。


「なんなのだ。」

やはり突然と草むらから出てきた。

「いや、理沙さんが私の家に招待したいんだけど、明日、明後日くらいに部屋の掃除、手伝ってもらっていい。」

そう言うと、少女はギョっとした。まぁ、そうだろうな。

今のところは分からないが、何故か少女は理沙さんのことを警戒している。

おまけに、私たちの間では理沙さんはヘンタイ扱い。

だから来てくれればよさが分かるはず。


「帰ってきたら、私もやるし、なんなら、アイスもあげるよ。」

少女はアイス!と目をキラキラしていたが、やっぱいいや。とプイっと向き、草むらに帰った。

「なんだよ。役に立たせようとしたのに。まぁ、いいか。」

帰ったら掃除しよう。学校のチャイムが鳴る前に戻った。

家に帰ってきて妹の部屋に勝手に入った。

「勝手に入ってくるな。」

アオイがいたので、今、を相談しようと。

「アオイ、今日、理沙さんが家に来たいと言われたけど。」

「あー。あの、ロリコンの人か。」

「ロリコンじゃないって。」

「私は来てもかまわないよ。けど、少女のほうはどうなの。」

「あの子は、やっぱり無理みたいだけど、理沙さんが来るときは、たぶん出てこないを思う。」

そうとう嫌われてるんだな。その人。とアオイはちょっとニヤっとして言った。


「だからそうゆう人じゃないって、あー後、理沙さんが来た時に、アオイの部屋、借りていい。」

「はぁ、なんでだよ。」

「だって、私の部屋って、ほら、散らかっていて人か入れないから。」

「さっさと片付けろよな。まったく。———で、何時に来る予定なの。」

「それは、まだ、決まってない。次の休みの。日曜日あたりにしようかっと思っていたけど。」

「その時は出かける用事ないから。———姉ちゃん。私の混ぜていい。」

「えっ、いいけど。なんで。」

「なんか気になって見てみたくなっちゃった。ガチのロリコンなら排除しなきゃならないし。」

ロリコンじゃないから。と私は頭を掻きながら少し考えた。

まぁ、見方が変わるからいいか。と思い、期待して自分の部屋に帰った。

のどが渇いた。私は下に降り。キッチンに来た。

冷蔵庫を開けると、今日食べた晩御飯の残り物とかあり、その中に飲み物はファンタやオレンジジュースだけだ。基本家族みんな。甘いものが好きなのでちょくちょく買っちゃう。

カルピスが好きだが今日はないな。

「仕方がない、今日はオレンジジュースだな。」

私は紙パックの果汁100%のオレンジジュースを手に取り、食器棚からコップを出して、ソファーに座ってゆっくり飲んでくつろいた。


理沙さんが来るの朝でいいだろうな。と考えていた。柄にないことを。無意識にリモコンを取ってテレビをつけた。あまり見ないが、たまにはいいかと。

番組はお笑い芸人がわちゃわちゃしている奴だ。ぼっーと見ていた。芸人さんとかあまり詳しいわけではない。けど、アニメ以外で見ているのは、映画かドラマくらい、あとは見ても分からん。


そんなことより理沙さんと少女。どう関わればいいか。合わなくってもいいけど。と思った瞬間。

あるお笑い芸人が急にドッキリにかかり、思わずふいをつかれて少し吐いてしまった。

「あ、やべ。」

ソファーに染みついてしまった。あわててちぃっしゅを取り、服とかにもついてしまったがなんとか拭きまくった。

まさか、あそこで笑わせるとは恐るべし。と関係ないことを考え、もう一度オレンジジュースを飲みまくった。

※しごとにん

今日はお母さんがいた。

「あれ、ラーメン屋は。」

「ん。休みもらった。」

私のお母さんは、個人店やっているラーメン屋の店長で朝から晩までやっている。

いわゆる仕事人しごとにんってやつだ。なので。家にいるのが珍しい。


朝食は、妹が作ったのであろう。卵焼き。ほうれん草のお浸し、ごはん、みそ汁。それに納豆が置いてあった。別に嫌いではないが、たまには別のもの食べたいがしょうがない。

私はイスに座り、まずは卵焼きから箸を入れた。

アオイは私より先に学校に行っている。そういえば、私は姉ちゃんといっしょにいたくない。と言っていたな。こっちだって願い下げだよ。

そう思ってごはんを食べていたら。


「おいおい、いくら遅刻しようとはいえ、もう少しゆっくり食べろよ。」

「私はお母さんと違って、マイペースじゃないから良いんだよ。」

よく言うな。とお母さんはコーヒーを飲みながら笑顔になって言った。

さすが私たち姉妹を持つ親だ。いつもこうである。


いつも間にかに、ラーメン屋やっているし、いつも間にか山に行かされるし。たまに帰ってきたと思ったら、今度は県外のほうは旅行に行ってりしている。

特に私とアオイに迷惑かけていない。

アオイはいない方が気楽。と言っていたし。

私は興味はない。

なので、母親がいようがいないが私たちには影響はない。


朝食を食べ終わり、食器を洗面台までもっていこうとした時。

「ついでにコーヒー淹れといで。」

わざわざコップを私のほうに差し出した。仕方がない。

私はコップを手に取り、食器と一緒に持っていき、食器棚からステックコーヒーを出した。

「まったく、コーヒーくらい自分で淹れろよ。」

気分次第ね。とお母さんはニヤッとイヤな笑顔で言った。

コーヒーを差し出し。私は学校に向かった。

時刻は午前7時。

着くのはだいだい一時間くらいだから。余裕でもなければギリギリでもないので歩いて電車に乗った。

学校に着き、席についてボーっとしていた。

「やぁ、美希さん。おはよう。」

理沙さんが挨拶してきた。私も、おはよう。と言い返した。

「そうだ。美希さん一緒に遊べる約束はどうなったの。」

「あぁ、家に来ていいよ。」

「そう、よかった。」

「あ、後、部屋は私のじゃなくて、妹の部屋でいい。」

「美希さんの部屋は何か出るの。」


出ないよ。と言って少し言葉をにごらした。

部屋が汚いとはさすがに理沙さんには言えない。

「妹も、理沙さんに会いたいって言っていたから。」

「妹さん。いたんだ。その子も少女のこと見えるの。」

「まぁ、見えるちゃ。見える。たまに遊ばれているらしいけど。」

「面白い妹さんね。分かったわ。次の休みの時にでもいいかしら。」


いいよ。と私は指をグッジョブして言った。

チャイムが鳴った。

またね。と理沙さんは席に戻っていった。

アオイと理沙さんか。出くわしたらどういう化学反応するのか。ちょっとワクワクして授業が始まった。

日曜日———。この日が来た。


理沙さんが家に来る日。朝の10時くらいに駅前で待っているから、私は家を出て、待ち合わせ場所に向かった。

友達と遊ぶのなんて何年ぶりだろうか。もう覚えていない。

服装はいつものジャージ。

理沙さんに会うのにいいのか。と思ったがいい服がなかったので、いつもの格好した。

待ち合わせ場所に着いた。

日曜日の駅前。やはり人がいっぱいいて緊張してきた。

チョロチョロと目で理沙さんを探していると見つけた。

やはり服装が可愛かった。

白のTシャツに黒の短パン。キャップをかぶっている。オシャレなショルダーバックを持って出迎えてきた。まるで彼氏と彼女みたいな感じだけど。

やっぱりジャージで来たのはまずかったかも。


「美希さん。おはよう。」

「お、おはよう理沙さん。」

「・・・なんか面白い服のチョイスだね。」


やはり失敗だった。けど理沙さんは引いている顔しいているとかよりかは喜んでいる顔をしていた。

合流して一緒に歩き、家に着いた。

「部屋に妹もいるから、さぁ、入って。」

私はドアを開けて、中に入ると、ちょうどアオイが下に降りてきた。


「あ、アオイ、紹介するよ。こちら同じクラスの小林理沙さん。理沙さん。アレが私の妹のアオイだ。」

私は互いに名前して、あいさつした。

「きれいな妹さんですね。美希さんに似ているわ。」

そう理沙さんが言った。アオイは美人だと思っていなかったが。


アオイの格好は何かの職人さんみたいな。上下、和服姿で眼鏡をかけている。

私を見るなり嫌な顔をしていた。

似ていると言われたからだな。

「あ、ども、川村アオイです。よろしくお願いします。」

さりげなくアオイが言った。

「さっき言った通り、アオイの部屋借りるからね。後で来るでしょ。」

紅茶入れたら行くわ。とアオイはコップを持ってキッチンに行った。

階段に上がり、アオイの部屋に入った。


「すいません。うちの妹、無愛想でこれでも友達はいる方なので。」

「面白い妹さんだと思うけど。」

「初めて会うとそうだけどだんだん会ってくると面倒くさくなるから。」

「そうなんだ。・・・ところではどこにいるの。」

そういえば。少女に興味があるんだった。


まわりをキョロキョロしながら見ていた。

「理沙さん。あまり部屋をジロジロ見ないで。アオイ。そういうの嫌い札から、私は八つ当たりしてくるから。」

突然、ドアからノックがした。

自分の部屋くらい勝手に入れよ。と私はドアを開けた。


「イヤー。ちょうど紅茶入れていたら、外のほうにウロチョロしていた少女を見つけたから捕まえて私の部屋に招待しようと思ってねー。」

ドアを広げたら少女がいた。逃げるように。

まるで恐怖で叫びまくっている犬。

鳥小屋から逃げられないニワトリみたいに。

必死にもがき苦しんでいた。妹はめっちゃ笑顔で不気味だった。

あぁ、トランプの仕返しか。



手伝うよ。と私は少女の体を抱きかかえ、アオイと一緒に部屋に入れた。


私と理沙さん、アオイ。

そして怯えて今でも逃げそうな体制している少女がそろった。


アオイはずっと握りしめている。逃がさないために。

対する理沙さんは顔面崩壊しそうな。誘拐しそうな顔を堂々していて。

私はちょっと引いてしまった。

アオイは笑顔のままだし。それはそれで引く。

私は思い切ってしゃべった。


「理沙さん。今日は何して遊ぼうか。」

「何って。勉強。一緒にやろうと来たんだけど。言ってなかったっけ。」

そうだった。私は今までの訳の分からない光景に目移りしていたから、テスト近いこと忘れていた。


「すみません。頭の中がいやらしいことしか考えていない奴なのでここは大目に見てやってください。」

コノヤロー。

「いいですよ。それに家に行きたいと言ったの。私だから。」

理沙さん。やっぱり優しい。

「あれ?。もしかしてあなた。少女をいやらしいそうに見る。あの理沙さんなのですか。」

アオイーーー。

お前何てこと言うんだ。


「いやらしい?。私は幼女には興味ないの。なんて言うか。そうお化け。化け物が好きなの。」

そんなこと言われて、私とアオイはちょっと一瞬だまった。

理沙さんはバックからスマホを出して見せた。

「あ、これこれ、見て、このぐにゃぐにゃしているの。可愛くない。」

それは、真ん中に理沙さんが笑顔で自撮りしている姿。

だが、あたりにフランス人形や日本人形。

呪いの人形がいっぱいある部屋に何やら肉の塊みたいなものを持っている。


「これ、ぬっぺっぽうちゃんって言うのよ。」

なんか怯えていないか。私たちは顔を引きつった。

「そ、それはそうと、勉強!。勉強しなきゃ。」

私はそう言って濁らした。


そうだね。と理沙さんはノート出して始めた。

アオイは少し固まっていたが我に返り、紅茶を飲んで勉強始めた。

少女を握りしめながらだ。少女はぐったりしている。疲れたんだな。

黙々と勉強していた。分からない所があったので理沙さんに聞いてみた。

「アノー。理沙さん。ここ分かる。」

「あぁ、ここをこうすればいいよ。」

「あ、そうか。ありがとう。」

教えられても分からなかった。


数時間後———。


理沙さんと協力してどうにかテスト範囲の所を終わらした。

アオイは本を読んでいた。早めに終わらしていた。

さすがに少女はいなくなていた。

「ねぇ美希さん。」

「ハイ。」

私は急に呼ばれびっくりして裏声になってしまった。


「アオイさん、なんで不機嫌のままなの。私がいちゃ悪かったかな。」

「理沙さんが悪いわけじゃないよ。前、少女と遊んだ時に負けまくって、ふてくされているだけだよ。だから気にしないで。」

そういい終わると、理沙さんはアオイの所まできてジーっと見ていた。

「・・・な、なんでしょうか。」

「アオイさんって。———もしかしてこれがツンデレってやつですか。」

「ハァ———。」

顔が真っ赤になった。

「初めて見ましたよ。私の周りの人たちはみんな優しい。それが一番なのは分かるけど、何か物足りないなって思って。だから美希さんみたいな変な人とかが面白くて。」


私は変な人認定されているのかよ。

「あー。分かる。優しくしていれば、同情してくれるだろうと考えてるの。あまり好きじゃない。いつか裏切られると厄介だから。」

「お前、私のいない間に何があったのか。」

別に勘だよ。とアオイは私の顔を見て言った。


なんか睨みつけているような気がするけど。

まさか私のことじゃないよね。

「ヘンタイさんにしてはなかなか面白いじゃない。」

「ツンデレさんも面白いよ。」

何か、アオイと理沙さんは、深い友情ができたって感じだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る