第2話

例の電話から2週間後、私たちはとある大学の前で待ち合わせということになった。何故か一織ちゃんまで一緒に来たけど。


凪「おー響やないか。その横におる子は?」


一織「私は月影 一織!探偵です!」


凪「アンタが響の付き添いか。なんや、随分とべっぴんさんやないか。」


一織「え…私そんな美人ですかね…♪」


凪「あぁすごい美人や。自信持ってええで」


…これは呼んで正解だった…のかな?


なんか一織ちゃんに「旅行に誘われた。」って言ったら「そうなんですか!私も着いてっていいですかね?」って言われたからお願いして通してもらったけど、私よりも楽しんでいるような気がする。


あ、肝心なこと聞くの忘れてた。


響「凪、そこにいる人たちは?」


凪「あぁ、ウチの友人や。あいつらは大学生でな」


え?大学?まさかとは思うけど研究しに行くの?関係ない人いるけど?


そんな私の疑問は心の中に留めておいて、この人たちがなんなのか教えてもらった。


まずは一玉 花菜(ひとたま かな)さん。とても優しそうな顔をしている。あいさつも「初めまして。一玉といいます」と、ずいぶん落ち着いていた。


初対面の相手に「アンタ可愛いなぁ。歳は?どこ住み?付き合っとんの?」とか聞くぐらいのテンションで話している凪とは大違いだ。


そしてもう一人。鬼沢 礼司(おにさわ れいじ)さん。金髪・ピアス・サングラスといういかにもな危険人物感のある見た目だが「僕は鬼沢。よろしくね」とこの人も優しい人みたいだ。


この二人の共通点は大学の仲間だと言うこと。とても仲良しだがはっきりとした共通点はそれぐらいらしい。


そのとき、凪が「ほらアンタらも自己紹介せぇや。」と言ってきた。なんかムカつくけど、確かにしていないと気づいた。


響「私は日野 響です。そこにいる凪の友達です。」


一織「私は月影 一織!探偵です!」


礼司「探偵?」


一織「そうなんですよ!私たち、たくさんの事件を解決したすごい人たちなんですよ?」


礼司「良かった。それなら安心だよ。」


…嘘でしょ?まさか事件起きる前提で話すすんでる?


一織「今まで数々の事件を解決してきましたもんね。ね、響さん?」


響「あはは…そ、そうだね…」


恐らくだが、彼女の話している世界には私はいないだろう。


「その話はまた後でするとして、とりあえず京都に向かうで。」という凪の発言によって網縫館へ出発した。


そこで、「網縫館の人喰い蜘蛛伝説」という記事を読んでみた。とんでもない伝説を考えた人もいたものだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る