第26話 捕らわれた仲間

 フジマルヒコたちは ツチマルヒコに連れられて、 再び洞窟に戻ることにしました。

 洞窟に戻る途中、 マガタマ姫は

「カゼマルヒコを置いては行けない」

と涙を流し戻ろうとしました。

 しかし、フジマルヒコとホシヒトが、なんとかしてマガタマ姫を洞窟に避難させたのでした。

 その頃、 カゼマルヒコはハギノツタマルの水晶を奪ったものの 、あまたの大蛇が襲ってきて、 さすがに カゼマルヒコ 一人ではかないません。

 とうとうカゼマルヒコは、あまたの大蛇に捕まり、絞殺されようとしていました。

 するとハギノツタマルは、

「 あまたの大蛇よ、 こいつを殺すのはまだ早い。 人質として利用するのだ!」

 といい、水晶を取り戻したのでした。


 その頃 、マガタマ姫やホシヒトたちはカゼマルヒコの安否を心配していました 。

 特にカゼマルヒコといつも一緒に戦ってきたツチマルヒコの心配は、ただならぬものがあったのです。

 それを察したフジマルヒコは、みんなに話しました。

「 ハギノツタマルは、カゼマルヒコを人質にして、 みんなを誘い寄せるのではないでしょうか? それまではカゼマルヒコを殺さないと思います 。だから ハギノツタマルから連絡があるはずです。 今は、カゼマルヒコを救い出すことをみんなで考えましょう !」

 そう話した後、マガタマ姫が

「もし、カゼマルヒコを救い出せたなら 一度、天照大御神様のところへ引き返し、体制を整えることにしましょう!」

 そう言ったのでした。

 そして、スサノオノミコトと マガタマ姫とサザナミとフジマルヒコはあまたの大蛇を引き寄せる作戦を立てました。

 一方、ホシヒトとツチマルヒコは ハギノツタマルからカゼマルヒコを助け出すことに決めました。

 カゼマルヒコは滝の上から 縄で吊るされ、 滝の激しい水流に苦しめられていました。

 その頃 、ハギノツタマルが 洞窟の近くで マガタマ姫たちに声をかけます。

「お前たち、仲間を助けたければ早く出てきて戦うか、もしくは私の手下 となり、 あまたの大蛇と共に全ての村を手に入れようではないか? もし太陽が昇るまでに、 洞窟から出てきて仲間にならなければ、 滝の近くで待っている。お前たち 全てをあまたの大蛇に殺させてやる!」

 そう言い放ちました。

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