第4話
...最近父さんの様子がおかしい
ある日父さんが家族が起きるより早くテーブルに座っていて、険しい顔をしていた時からだ...
その日から遊びに行くことは父さんが何かと言い訳を使って遊びには行っていない。
その日からだ...たまに父さんが急いで家を飛び出し、少し経ったら砂ぼこりまみれになって帰ってくるようになったのは...
「最近父さん急に外に出ることが多くなったよね?なにか知ってる?母さん?」
「私もなにも知らないよ...でも私が聞いても何も話さないってことは私達は関わらない方がいいってことだと思うの...何でも話してくれた隆二さんが話してくれないなんて深刻なことよ....」
「父さん...また居なくならないよね?」
「さぁね...でも居なくならないと約束した以上自分の意思で居なくなることはないと思うわ...」
「そうか...」
俺達は不安だった。
そしてあることを実行することに決めた。
そう、尾行だ。
妹、弟と話した結果一番強い俺が行くことになった。
そして...
「ちょっと行ってくる~」
今だ!
俺は全速力で父さんの後を追いかける...って速い!父さん早すぎるぞ!
えーと...ここの角を曲がって...どっちだ...?
右か左か...ん?此方だけ妙に地面に枯れ葉がないぞ?周りに飛び散ってる?ということは父さん此方に行ったな!
カンカンキンキン!
金属同士が叩きつけられているような音...なんだ?これは...
「くっそ...勇者め...だが!私を殺しても次の刺客がまだ...!」
「黙れ、死ね、二度と来るな。折角の幸せを邪魔するな」
...父さん?え...人をころ...して?
「え?翔海...?どうして...いや、違うぞ!父さんは!」
「と...父さんどうしちゃったんだよ...殺すのもそうだけど...その体も...それに勇者って...?」
父さんの体の半分は機械のようなものになっていたのだ...
そして父さんが殺した人は父さんが燃やしているし...いったいどうなってるんだよ!
「はぁ...もう言い訳出来ないな...分かった全てを話そう...家に帰って皆揃ってからな...」
僕に歩く早さを合わせていた父さんは家に帰る途中ずっと顔色が悪かった。
「父さん!いったいどういうことだよ!」
「話すよ...前回話してなかった内容について...」
まず体のことについてだがこれは闘える力を与える...つまり体を改造して魔力を使えるようにしたものらしい。
異世界のものには全て魔力がある。
他の魔力を体の中に入れてしまうとその人が作れる魔力とぶつかり合って最悪死んでしまうらしい...
そのため魔力がない人に使うしかないがそんな人は父さんしか居なかったわけだ。
まぁモルモットにされたって感じかな...魔力を産み出すのには生命力が必要。
生命力は動物の方が良く取れる。
だからラーメンじゃなくて肉を食べてたんだな...
「生命力ってご飯を食べるだけで回復するの?お父さん?それだったらもっとはやく帰れたと思うけど...」
「...人を殺しても手に入る...戦場はそこら辺で人や魔族が死んでいたからな...魔力には困らなかったんだ...そうして勝っているうちに父さんは勇者と呼ばれるようになったんだ...」
「あの時言った勇者は辛いっていうことは...」
「そうだ...」
父さんはあの時体験していたようなじゃなくて本当の勇者になっていたんだ。
父さんが殺したのは殺したのは魔族。
どうやって此方に来たんだ...?一体...
「父さん王国が時空を歪める魔法を作ったっていったよな...あれが奪われたんだよ。父さんが此方の世界にくる前に魔王に...僕が此方に来たのは魔王に負けたからだ。王国が襲撃された時かなり人が死んでねぇ...生命力がかなり来たんだよ。それでこっちにこれたってわけさ~」
軽く言ってるけど多分凄惨な現場になっていたんだろう。
魔族と闘ってきた父さんがこっちに来るだけの魔力を貯められなかったのにそれが一気に貯まったのだから...
「魔族は殺さないとね~」
そう言った父さんの声は凄く冷たいものだった...
父さんは他にももうすぐ魔王が来るかもしれないとも言った。
何故かと言うと父さんが唯一魔王を倒せる可能性があると、それほどの力を持っているから父さんを消しにくるだろうと。
俺達を巻き込みたくないけど、守るためにはここにいるしかない皆本当に申し訳ないとも
「私は隆二さんが居てくれればいいから...」
「お父さんは最強だから!次は負けないよ!」
「そうだな~父さんは最強だから次は負けないぞ~」
そう言った父さんの声にはまたもや力がなかった...
もしかしてこっちの世界に来るのに魔力大量に使って魔力がもうない...とかじゃないよな?
「父さんは大丈夫だぞ~翔海~そんな不安な顔をするな...父さんまで悲しくなるだろ~」
やっぱり父さんには隠せないか...
「そういえば、何でお父さんは魔族が此方の世界に来るのが分かるの?」
「時空の歪みを感じるんだよ...僕が巻き込まれたみたいな...なんというか魔力がこうねじ曲げられるような...まぁこれは当事者しかわからないと思うけどね~」
「そっか」
父さんは優しい口調でそう言った。
次の瞬間!
「ヤバイ!この大きい感じは...この魔力の曲がり方...間違いなく魔王だ...」
「えぇ!?そんなに早く!?」
「お前達は付いてくるな!絶対だ!約束しろ!父さんは今すぐ行くから!放置してたらもしかしたら世界が終わるかもしんないなぁ...」
そういって俺達を置いて父さんは駆けていった。
魔力も使えない俺達はただただそれを見送ることしか出来なかった...
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