第2話

「お兄ちゃんが居なければ、私がもっと人気者になれたのに」


「俺より妹の方が人気あるよ」


「そんなことない!!お兄ちゃんは何もしてないくせに、何も出来ないくせに、お母さんにビクビクしてる臆病者のくせに、男性だからって人気あって!!」


確かにそのとおりだ。

でも、俺も人気者になりたくて、なりたかった訳じゃ。


「でも、そんなの越せるくらい人気者になれるよ」


「慣れない!!さっきからお兄ちゃんは自慢したいの!!」


「違うよ、俺は、」

本当に自慢する気はない。本当に興味がない。


「俺は、俺はってそうやって、否定してるけど、いつもそうなのがムカつく。」


じゃあ、どうすれば


「そんな、お兄ちゃんなんて、居なければよかったた!!」


「・・・っ」


それからも、妹はこの言葉が口癖になる。

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