お兄ちゃんと危険なお風呂

 脱衣所には、弟が脱いだ服がカゴの中に入っていた。さらに濡れてないバスタオルがあった。つまりこの時点で弟は、まだ中にいる。俺はしめしめとニヤリと笑いながら、着ている服を脱ぐと、堂々とお風呂場に突入した。


 ガランと戸を大きくあけると、友葵はお風呂の中に玩具を浮かして遊んでいた。そんな所が幼い子供らしい。お風呂場に入るなり、友葵と俺は目と目があった。友葵は大きな瞳をあけながら俺の事を見てきた。びっくりした表情で固まっているようにも見えたが、そんなことは構わずに中に入ると、弟は危険を察知した途端にとっさにお風呂から出ようとした。浴槽から上がると、弟は裸のまま出口に足早に向かった。俺は逃げる弟を瞬時に背後からガシッと取り押さえた。


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