第22話 いやぁ、気持ちいいな

 もう少しで笑いそうだった。


「お前ら、グチグチと光は悪くないとか、棚西が悪いとか。そんなくだらないこと抜かしやがて、棚西が一番つらいはずや。それにな、今回怪我したんもきっと神様がメンバーの親切に寄りかかって甘えてることの天罰や。確かに全国はキツイかもやけど、僕は棚西とメンバーが一緒になっているみんなを応援したい」


 お、涙ぐんどるぞ。これは中々気持ちいいぞ。だって全治三ヶ月だもん、絶対にない。たとえ治っても引っ張ってやる。



「それにな、こんなことで寄り道してるお前らが仲間やなんて恥ずかしいわ。そんなにグチグチ言いたいなら明日からくんな。そんな奴の顔なんて見たくない」


 そうやって指揮台から下りる途中に引っかかって転んだ。


 計算外だったので、上手く受け身が取れなかった。どうやらどこか切ったみたいだ。


「ええな、今後棚西をせめるようなことがあったら、俺が部活を休むからな。そんなとこ来る意味無いわ」


 血を流しながら言うとか真に迫っている感じがして上出来やん。この感じでいこ。

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