第17話 九時九時はこっちも大変

 部員はフラフラで体育館の前に集合。


 恐ろしきかな、九時九時。集合は九時、解散は二十一時。


 これにはトリックがある。


 九時にフィールドに集合で、二十一時に解散したいけど楽器を片付けたり隅に固める時間で二十一半になるのね。


 どこのブラック企業だ。高校生の実働時間を制限しろ。


 今日が土曜日、何が恐ろしいって明日もこんな感じである。遅い生徒だと帰りに二十三時になる。こんなことが許されていいのか、そして朝は六時に家を出るのだ。寝るために帰っている。


 熱心な子はコンテを見て、確認して寝るのだ。


 その若い力を労働に生かせば、きっと一日一万円は稼げるよ。


 全国大会って、みんな目標にしているけどさ。


 なめくじに塩を振りかけて溶けるか試したり、みみずを釣りざおにくっつけて魚獲る方がよっぽど楽しいぜ。


 本読んだり、遊んだりが楽しいよ。


 辞めたいなら、辞めればいい。と言われるだろう。


 大阪の全国強豪校みたいに辞めたら即退学ってわけでもなかろう。


 ただの関西レベルの中堅校だ。コンクールが大阪府大会落ちした。たまたまそうだっただけ、それが全国まで行くのか。はぁ、早く落ちてくれないかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る