助けを求める

 あなたはゴンドラから出ようとドアを開けようとした。助けてと窓も叩いた。しかし、ここは観覧車の頂上。下で待っている者に声は届かない。


 男性はあなたに近づいてくる。注射器の針がキラリと光った。


 その時だ。


 突然ゴンドラの天井が緑色の化け物とともに落ちてきた。何人も何人も入ってくる。

 重さでゴンドラが傾き出す。


「なんだ! 道具がわたしに刃向かうな!」


 男性は緑の化け物を殴り倒している。それでも緑の化け物たちは次々とゴンドラの中に入ってきた。


 バキバキと金属の曲がる音が聞こえた。重量オーバーだ。バキッと大きな音を立てると、ゴンドラが落下した。


 落ちる!


 あなたは目をつむった。衝撃に備えて頭を守る。しかし、衝撃はない。優しい暖かさに包まれている。


 目を開けると、あなたは木馬に乗っていた。木馬が頭を回転させるとこう言った。


「あなたのおかげで園長を倒せました。ありがとう」


 木馬はあなたを乗せたまま遊園地を出た。あなたと一緒に来た人物も気絶しながら別の木馬に乗っている。後ろから男性の悲鳴が聞こえてきた。


 次の日、あなたはもう一度遊園地に来た。しかしそこには何もない土地が広がっているだけだった。



★ END 救われた実験体 ★

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