袋を開けない

 嫌な予感がする。この中身は見たくない。


 あなたは馬の頭を元に戻そうとした。その時、あなたは妙な感覚に襲われた。体がぐらぐらする。なにかに引っ張られている気がする。気が付くと、あなたは暗い場所にいた。狭くて身動きがとれない。体を無理やり丸め込まれているようだ。


「中身は見なくていいの?」


 外からあなたと一緒に来た人の声が聞こえた。


「うん、いいよ。きっとつまらないものだよ」


 あなたの声が外から聞こえた。


「それより疲れたよ。家に帰ろう」


 再びあなたの声が外から聞こえる。そして、楽しそうな会話をしながら遠くに行ってしまった。


 あなたは、暗くて狭い場所に一人残された。



 ★ END 盗まれた体 ★

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