諦めよう

 無理だ、諦めよう


 この人数の化け物に敵うわけがない。ヘタしたら自分も巻き込まれてしまう。


 そう思ったあなたは助けることを諦めた。二人でやられるより、一人でも助かった方がいい。そう言い聞かせてあなたは門の外に出た。


「助けて! 助けてよ!」


 鉄格子の向こうであなたに助けを求めている。化け物はその人に覆い被さるように群がった。


「助けて……助…け…」


 もう、あなたに助けを求める声は聞こえない。化け物たちは満足したように散らばっていく。


 あなたは家に帰った。遊園地での出来事は悪い夢だ。あなたはそう言い聞かせた。


 あなたは夢を見た。



 助けて……助けて……



 あなたに助けを求める声が聞こえる。



 助けて……助けて……



 悪夢にうなされてあなたは目を覚ました。



 助けて……助けて……



 夢から覚めたはずなのに、まだ声が聞こえる。


 あなたの後ろから聞こえてくる。



 助けて……助けて……



 ★ END 見捨てないで…… ★

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