第4話 タイヤやホイールは?

 さて、足回りと言えば、こっちも気になるよな。タイヤとホイールについてだ。

 どちらもGIANT社のオリジナル商品となる。ぶっちゃけ走り心地を決める重要なパーツだ。

 タイヤは700×30Cが標準装備だな。ちなみに、これは『タイヤの直径が約700ミリメートルで、横幅が30ミリメートル。組み合わせるホイールの横幅がCサイズ』って意味だぜ。

 よく『700C』ってサイズの呼び方をするけど、この『C』の意味を知っている人は自転車乗りでも割と少ない。覚えておくとちょっと偉くなった気分になれるぞ。目指せ自転車マニア。

 で、エスケープのタイヤ直径は700なので、ママチャリ用のタイヤなどは使えない。

 逆に言えばロードバイク用のタイヤなどはバシバシ使えるので、もしタイヤに不満があったら高級なタイヤに買い替えるって手も使えるぞ。改造の幅が広がるなぁ。


 問題は、30ミリメートルの横幅だ。

 参考までに、ママチャリのタイヤが大体35~37ミリメートル。ロードバイクのタイヤが21~28ミリメートルくらいだ。

 つまり、ママチャリよりは細いけど、ロードバイクほど細くはない絶妙なタイヤをチョイスしてきたな。この辺は少し前の年代まで、28ミリメートルだったところだ。つまり2022モデルは、それより前の年代のエスケープより2ミリ太い。

 まあ、気に入らなければ交換してもいいよな。


 このタイヤなんだが、ぶっちゃけ使いにくい。

 メーカーは「太めのタイヤで安定感アップ」みたいなことを言っているが、よほど空気を抜かない限り、めちゃくちゃ弾む。跳ねる。ガタガタする。

 とはいえ、あまり空気を抜きすぎると今度はパンクするリスクが上がる。一応、タイヤの横に適正空気圧が書いてあるんだが……

 普通はさ。『最大でどのくらいまで入れてよくて、最小でこのくらいまでは気圧をさげていいよ』って感じで表示されてるんだよ。『MAX 120psi~MIN 95psi』みたいな感じでね。

 ちなみにPSIってのは空気圧の単位だぜ。ほかにkPaやBarなども使われる。まあ全部は覚えなくていいよ。自分が使いやすいと思う単位をひとつだけ覚えておけば大体オーケー。

 ……で、本題に戻るんだけど、

 この標準装備のタイヤ、側面に『100psi』とだけ書かれていて、それが最大かつ最小であるらしいのね。

 ぶっちゃけ、100も入れたらそりゃ走りにくいよ。高気圧すぎる。

 ただ、どこまで気圧を抜いても大丈夫かは書かれていないし、ゴムが固いせいもあって気圧を少し下げても乗り心地が変わらない。

 試しに常識の範囲で80psiまで下げてみたが、あまり走り心地が良いとは言えない。思い切って70psiまで下げれば、ようやく使い物になるくらいだ。

 これは使いにくいね。ついでに言えば、特に速度が高いわけでもなければ、別に耐久性が売りってわけでもない。中途半端なタイヤだ。


 自転車乗りなら知っていると思うけど、タイヤは走り心地を大きく変える。値段の割に効果が高いので、ここに注目するのは有意義だ。

 せっかくなのでタイヤを変えるだけでも、もっと走り心地が良くなると思うね。つーかこのタイヤ、今回買ったエスケープの部品の中で2番目くらいに嫌い。マイクロシフトの変速ギアなんか気にならなくなるくらい、タイヤの方が酷い。

 昔のエスケープは、もうちょっとマシな質のタイヤをつけていたように思うんだけどなぁ。


 まあ、よく分からなければそのまま走ってても構わないと思うよ。で、そのタイヤがいずれ2000~3000キロメートルほど走ったころには、ゴムが削れて交換しなきゃいけなくなる。

 その時に、改めて高性能なタイヤを買い求めてもいいと思う。

 ちなみに僕はシュワルベプロワンってタイヤを組み込んだよ。サイズは700×25Cだ。ぶっちゃけ細くなったけど、こっちの方がクッション性があって走りやすい。タイヤなんてそんなもんだよなぁ。




 ホイールについても語ろうか。あ、ちなみにタイヤとホイールの違いは分かるよね?

 内側の金属製の部分がホイール。外側のゴムのところだけがタイヤだよ。

 もっと細かく言うと、外側のゴムの部分がタイヤ。その中に入っているのがチューブ。そして金属製の輪っかの部分がリム。そのリムを支えている細い棒がスポーク。そして中心部分がハブ。まあそこまで覚えなくていいよ。

 中にはタイヤとホイールが別物だって知らない人とか、全部ひっくるめてタイヤって呼ぶ人とかがいてね。ここのすり合わせはきちんとしなくちゃ、話が噛み合わない。

 この辺、クルマだとどうなんだろうね? 僕は生憎と、そっちは素人でさ。免許すら持ってないから、クルマの世界は全く分からん。


 さて、少なくとも自転車にとって、ホイールは速度や持久力に影響する重要な部品なんだけど、

 エスケープのオリジナルホイールは……そうだなぁ。可もなく不可もない感じかな。

 しいて言えば、タイヤと同じく異様に固い。僕は長年shimano社のホイールを愛用しているから、余計にそう感じるかもしれない。

 ホイールが固いと、ちょっとしたアスファルトの歪みでも車体が飛び跳ねるんだよ。ものすごく暴れまわる。

 もし荷物とか積むなら、しっかり縛り付けててもダメかもしれない。最初からホイールの横あたりにぶら下げるパニアバッグってタイプならともかく、そうじゃないなら飛び跳ねる車体から荷物が振り落とされる。

 ポケットに入れたスマホなども気を付けてね。


 ただ、ホイールは別に「買い換えた方がいい」とまでは言わないよ。そこそこ値段も高いし、その割に効果が見込めるものじゃないからね。

 僕だってロードバイクは11万円ほど出してshimanoのホイールに買い替えたけど、さすがにエスケープにそれをしようとは思わない。本体価格を余裕で超えてしまう。

 なので、タイヤを変えたり、走り方を見直したりして、上手に付き合っていこうかな。


 タイヤに関しては我慢ならなかった僕だけど、ホイールは別に気にならないくらいだ。

 むしろこの価格でこの性能なら、割といい方じゃないかって可能性もある。




 余談だけどさ。2011年くらいまでのエスケープって、ホイールがすごくカッコよかったんだよ。乗り心地ももう少し良かったと思う。

 僕が高校の頃に乗っていたのが、まさにそれだったんだけどね。ちょっとカンパニョーロっぽいというか、32本スポークを24本で組み直したような見た目でさ。6方向へ伸びるスポークが美しくて……

 いや、これは言葉にしづらいな。まあ画像でもググってくれ。

 あの頃のホイールが今も採用されてたら良かったのになぁ。

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