第14話 拙者、稚貝撒きに参加する①

 今回は、4月の中頃から始まる稚貝撒きについて書いていくでゴザル。稚貝撒きは9月頃まで行われるでゴザルが、ホタテ漁に従事する拙者たちが参加するのは、5月下旬頃まででゴザル。5月下旬には本操業に向けての調査を行い、6月から本操業が開始されるので稚貝撒きは他の方たちに任せるからでゴザル。

 調査と本操業については、次回以降で書いていこうと思うでゴザル。


 4月中頃から5月下旬までの稚貝撒きは土曜日の午後に行うでゴザル。


 このため、毎週土曜日の漁は午前中に終えるでゴザル。

 この時期の稚貝撒きは一種のお祭りでゴザル。というのは、町の漁業関係者が集まるからでゴザル。

 何故集まるかと言うと、純粋に人手が必要だからでゴザル。


 この漁業関係者が、漁業組合によっておかと沖とに分けられるでゴザル。

 陸と書いて【おか】と読むでゴザル。

 おかの仕事は、大型トラックで運ばれてきた稚貝を積むのと、稚貝を撒き終えて帰って来た船から、稚貝を入れていた養殖カゴとマダイを大型トラックに戻すというものでゴザル。

 沖の仕事は、おかにプラスして、船で沖に行って稚貝を撒く仕事でゴザル。


 ホタテ船の船員は、自分の船で沖の仕事をするでゴザル。補助員は沖になったり、おかになったりという感じでゴザル。


 具体的な作業については、次回にしようと思うでゴザル!



 用語解説

・養殖カゴ

 横幅が肩幅くらいのプラスチック製のカゴ。ホタテ漁では、甲板作業中にヤスデ(ヒトデのこと)や割れた貝を入れておくのに使うことが多い。

 ツブを入れ、蓋をして海に沈めるという使い方をすることもあったので、「養殖」というのは、ここから来ているようだ。


・マダイ

 麻製(だと思われる)の茶色で分厚い布。

 養殖カゴ・マカゴに入れた海産物を日差しと乾燥から守るために使うことが多い。


・マカゴ

 養殖カゴより大きいサイズのプラスチック製のカゴ。

 養殖カゴが40〜50キロ、マカゴが50〜60キロの海産物を入れられるイメージ。

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ホタテ戦記 万吉8 @mankichi8

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