第14話『十二歳』

 私は十二歳の頃にパソコンを学び始めた。スクールに通ったのではなく、母からパソコンとPCの本を与えられてそれで学んだ。

 十二歳の子にパソコンは早いとか、子供にパソコンは早いとか言われるよりももっと前の事だ。パソコンを扱えるのが珍しいと言われた時代から私はパソコンに触れた。

 最初はよく分からなかったが、今は初期設定からカスタム設定まで出来る程で、現在はプログラミングを再度勉強している最中だ。

 兎角、パソコンというツールは私にとって新たな勉強法や新たな世界を見せてくれた。勉強で分からない所があれば詳しく載っているサイトを調べられたり、出かけたい場所を探したりなど色々な活用法を知った。

 その頃のインターネットの世界は、今よりもまだ安全だった。未開拓のためか比較的今よりも安全に使えたのだ。

 そんな世界を知った私は、当時からYouTubeやAmazonを利用していた。YouTubeでは音楽もドラマもアニメも楽しめた。Amazonでは買いたい物を母にねだった事もある。ちなみに、ゲームでオンラインが出来るようになったのはもう少し後だ。

 メル友とか出会い系もこの頃に始めた。メル友と話すのは楽しかったが、今よりもパソコンやインターネットが普及していないため、大抵は年上の人達だった。メル友とはゲームの進捗状況や情報交換などが専らだった。

 出会い系は、本当にただ会って話す事をしていた。幸い事件に巻き込まれはしなかったが、そっち系の目的の人も居たので全力で逃げた事もある。

 そういう危ない綱渡りをしつつ、自分の進みたい方向へ向かっていく。

 サイトにソースコードが表示されるなどして、私はその暗号めいたプログラミング言語に強く惹かれた。それは今現在も勉強しているJavaだ。

 強く惹かれた私は片っ端からソースコードを漁り、電子辞書とインターネットの検索で調べていった。解読してココはこうなっているのかとか、あそこはああなっているのかとか。そういう事を調べるのが凄く楽しかった。

 その結果、私はプログラミングの勉強を始めた。しかし、半年くらい経って辞めてしまう。理由は作りたい物がなかったからだ。私はあくまでソースコードを調べるのが楽しかったのであって、作りたい物があったわけではなかったのだ。

 しかし、ここから暫く私は勉強街道まっしぐらとなる。

 家に会った家庭用の六法全書を読破したり、家庭の医学を読破したり、雷が怖くて回避する方法はないかと気象学を学んだり、ニュースを見て気になった経営者の考え方を学ぶために経営学や経済学にも手を出した。作曲に興味を持ち作曲の勉強をした事もある。

 兎角、この頃の私は興味のある分野に片っ端から手を出した。

 私の十二歳は、恋心を抱くとか、友達と遊びまくったとかではない。

 ただ只管に家で勉強勉強の毎日だった。そうしているうちに、一年二年が過ぎて、私は十四歳になった。

 丁度この頃に姉が結婚して家を出た。

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