第8話 壊滅!ヤリサー軍団!

※このお話には過去作のキャラが多数

 出て来ますが最終回ではありません


俺、青三しょうぞうは高校卒業後可憐ちゃんと

同じ大学に進み、同じマンションで

同棲をしている。

両家の親公認で可憐ちゃんの御両親も

「一人暮らしより安心だ。」

と了承してくれた。

「防音がしっかりしたマンションが良い」

と可憐ちゃんが主張してミュージシャンが

住むようなマンションに入居した。

周りはニヤニヤしていたが

多分趣味に没頭出来るようにだと思う•••

現に今は実家で見られなかったアニメや

DVDを大音量で鑑賞している。

男性同士の恋愛ゲームも楽しんでいて

「実家ではやりたい事もやれなかったから

 今の環境最高!

 一人暮らし反対されてたから

 青三君、本当にありがとう!」

と弾けるような笑顔で言ってくる。

まぁ可憐ちゃんが幸せなら良いか•••


ある日、可憐ちゃんが

「あのね、友達からどうしても飲み会に

 参加してくれないかって頼まれ

 てるんだけど•••」

「行ったら良いんじゃない?

 •••ああ男がいるのか。」

「そうなの。

 私彼氏がいるって言ってるのに•••

 人は沢山来るけどただの飲み会だから

 大丈夫だって•••

 その子悪い子じゃないと思うけど•••」

「じゃあ飲み会の日は近くで待ってるよ。

 何かあったら•••無いとは思うけど

 すぐ駆け付けられるように。」

「ありがとう!

 ゴメンね•••」


そして飲み会当日場所は

カラオケのパーティールームらしい

居酒屋じゃないのか•••

まぁ大学生だしな•••

等とカラオケの前で考えていると

「あれっ?青三君?」

振り返ると同級生だった成義なりよしがいた。

※第1話幼馴染み彼氏です。

「成義偶然だな。

 どうしてここに?」

りん(第1話エース女子)が飲み会に

 誘われたから近くで待っててって

 頼まれたんだ。」

「そうか凛さんが•••」

凛さんは過去に体育教師に脅迫され

心に傷を負っている。

「大分元気になってきたから

 知らない人がいる集まりにも

 行ってみるって。

 家族以外の男は僕と父さんしか

 話せなかったから•••

 近所の人も怖くなっちゃって•••」

「そうか•••

 水泳部も辞めてしまったからな•••

 まさか教師があんな事するなんて•••」

「まぁあの体育教師は父さん達が

 片付けてくれたけどね。

 凛のお父さんはアイツが

 刑務所から出て来たら

 海にチンしてやるって

 ずっと言ってるけど。」

「そんな冷凍食品みたいに•••

 弁護士の先生の前で言って大丈夫かよ•••」

「父さんは法律だけに頼っている内は

 弁護士として三流だって言ってるよ。」

「闇が深いな•••」

「話が通じない相手が

 世の中沢山いるらしいから•••

 僕も頑張らないと。

 本当は凛と同じ大学に

 通いたかったけど•••」

成義はお父さんと同じ弁護士を目指し

別の大学に通っている。

「青三。成義。

 卒業以来だな。」

声の方を見ると

「龍!」

「龍太郎君!」

またも同級生に遭遇した。

その後ろに

「先輩達お久し振りです。」

「宏太!」

「宏太君!」

後輩の宏太も一緒だった。

「二人共どうしてここに?」

「結愛が大学の飲み会でな。」

「僕も桜さんを迎えに来ました。」

「そうか、俺達の彼女

 皆ここにいるのか。」

「偶然だね。」

そんな話をしていると一斉に電話が鳴る。

全員がすぐに電話を取るとそれは

彼女達からのSOSコールだった。

全員が同時に走り出す。

受付には誰もいなかった。

部屋番号は聞いていたので迷う事無く

パーティールームへ到着する。

そこではカラオケのスタッフを含めて

50人以上の男女が揉めていた。

全員自分の彼女の元へ走る。

「可憐ちゃん!」

「青三君!」

可憐ちゃんを抱き締める。

聞けばこの飲み会を主催したメンバーが

女の子達を無理矢理酔わせて関係を

持とうとしたらしい。

意識を失っている女の子もいるから

何か薬も盛られたのかもしれない。

監視カメラも有るのに

こいつらはバカなのか?

いやバカなんだろうな間違い無く•••

それでカラオケのスタッフさん達が

集まってるのか•••

「今、警察呼びましたから!

 動かないで下さい!」

「ヤベェ!

 逃げるぞ!」

逃げ出そうとするメンバー達に

俺達が立ち塞がる。

「どけっ!

 ぶちのめすぞっ!」

そう言って殴りかかってくるが素人だ。

カウンターで顔に正拳を叩き込む。

龍太郎は喉に貫手ぬきてを突き刺し

成義は日本拳法の直突きを見舞っていた。

「弁護士は恨みを買いやすいから

 護身術は必須だ。」

と父親から言われ指導を受けていると

言っていたな。

女の子達は宏太と箒を持った元生徒会長が

守っているから大丈夫だろう。

大立ち回りを演じていると

「由里子っ!」

と叫びながら渋い中年男性が入ってきた。

誰かの父親か?と思っていると

「由里子ちゃん!」

と叫びながら2mはある黒人の大男が

入ってきた。

横幅もとんでもない。

どうやってドアを通ったのか不思議な位だ。

これにはバカ共も戦意を喪失したらしく

おとなしくなった。

そして外からサイレンの音が聞こえてきた。


その後カラオケは警察•救急が入り乱れる

修羅場と化した。

倒れている女の子から救急車に乗せられ

次々と病院に運ばれて行った。

バカ共は手錠をかけられ次々とパトカーに

乗せられて行く。

「病院に連れて行ってくれぇ!」

と叫んでいるヤツもいたが

スルーされていた。

「あの人、龍先輩が腕をひねりながら

 投げた人ですよね?

 もう腕使えないんじゃないですか?」

「やるなら徹底的だ。

 二度と悪さが出来ないように

 本当は命を回収したかったが•••」

「回収って死神みたいですね。」

「そう言うお前も地面に叩きつけた後

 胸や首に膝を落としていただろう?」

「まぁトドメを刺すのは

 戦場の決まりですよね。」

「間違い無いな。」

龍と宏太は物騒な話をしてるな•••

まぁ彼女の為にトラブルの芽は

摘み取るのは賛成だな。

そんな事を考えていると成義が

「父さん達すぐに来てくれるって!」

そう言いながら凛さんを抱き締める。

またこれでトラウマが

酷くならなければ良いが•••

可憐ちゃんや結愛さん元生徒会長は

まだ意識のある女の子の介抱に

走り回っていた。

この御時世セクハラ冤罪が怖いから

呼ばれた時だけ手を貸す事になった。


その後成義のお父さんの正義まさよしさんと

凛さんのお父さんのつよしさんが駆け付けた。

「りーん!!!大丈夫か!!!」

「お父さん!

 大丈夫だよ。

 成くん達が助けてくれたから。」

「成義!

 よくやったぞ!」

「助けられて良かったです。」


「正義さんお久し振りです。」

「おお宏太君久し振りだね。

 あのチンピラの裁判以来だ。」

「今回も御世話になると思います。」

「任せておきなさい。

 私が受け持とう。」

「過剰防衛とか言われそうですけど•••」

「まぁ見てなさい。

 成義!

 お前も良く見ておくように。

 ここからは大人の喧嘩だ。」

「はい!父さん!」

「今日はまず凛ちゃんを家に送ろう。

 話はそれからだ。」


それからはあっという間だった。

飲み会を主催したグループは全員逮捕され

当然ながら退学処分となった。

バカ共の家族は世間の目から逃げるように

引っ越して行ったらしい。

後日四人でファミレスに集まっていた。

「先生が何かしたのか?」

「父さんもだけど剛さんも

 動いてるんだと思うよ。

 あのバカ共孤立無援にしてやる!って

 怒り狂っていたから。」

「敵の増援を絶ち孤立させる。

 兵法としては正しいな。」

「倒れていた女の子達は

 大丈夫だったんですか?」

「命に別状は無かったんだけど•••」

そう言って成義は小さい声になる。

「倒れた女の子の1人がその筋の方の

 お孫さんだったそうでね•••

 暴対法が有るこの時代でもかなりの

 力を持った人らしくて

 その人にとって女の子の孫はその子だけで

 とにかく溺愛してたんだって。

 当然怒り狂ってグループ全員を

 消そうとしたらしいんだけど

 父さん達が説得して直接酒を飲ませた

 ヤツだけを制裁する事にしたそうだよ。」

「制裁?」

「うん。

 逮捕の後、一時的に出られる事に

 なったんだけどその時に

 とある場所に連れて行って

 大○郎やビ○グマンみたいな酒を

 飲ませ続けたんだって。

 もう飲めませんとか言ったら

 ノリ悪いよ~とか空気読んでよ~とか

 自分が言ってた事を言われながら

 とにかく飲まされて、まぁその後は

 分からないそうだけど

 無事帰宅は無いだろうね。」

「まぁ自業自得だな。

 ソイツらもだが結愛達を誘った

 女はどうなったんだ?

 共犯だろう?」

「誘った女の子達はグループの男達から

 お金貰っていたんだって。」

「やっぱりグルか•••」

「桜さんショック受けてましたよ。

 悪い子には見えなかったって。」

「詐欺師は詐欺師の顔をしていない

 と言うからな。

 悪人程善人面が上手いものだ。」

「まぁその女の子達もその筋の人に

 連れて行かれたそうだけどね。

 被害者の方にはその筋の人が

 お金を払ってそれをこれから

 一生取り立てるってさ。」

「一生•••

 もう表の世界には戻れないんだな•••」

「青三。

 そんな悪党女は遅かれ早かれ

 そうなっていたさ。

 気にするな。

 俺達は俺達の大切な人を守るだけだ。」

「そうですよ。

 あお先輩優し過ぎですよ。」

「そうかな?

 •••そうだな。」

「そうだよ。

 今回の事で凛はまた落ち込んでるし•••

 可憐さんや結愛さん桜さん達が

 様子を見に来てくれてありがたいよ。

 この前は真央さんも来てくれたね。」

「あのテニス部だった子か。

 あの子も確か•••」

「同じ襲われかけたトラウマを持ってるから

 色々とアドバイスをくれてるよ。

 と言っても好きな人に抱かれるのが

 一番の薬だよって熱弁してたけど。」

「男が言ったら大セクハラ発言だな•••

 まぁ同じトラウマを持ってるなら

 説得力も有るか•••」

「あの体育教師事件の後も

 他の男に奪われる位なら

 成くんが良い!と言われて

 まぁそう言う事になったけど•••

 本当に男全部に拒否反応が

 出なくて良かったよ。」

「本当だな。

 あのバカ共はこれから

 落とし前をつけるんだが•••

 アイツら退学にはなったけど

 未遂だと大した罪に問えないんだよな•••

 やっぱり直接断罪するか?」

「あのな、その事について

 可憐ちゃんから提案があってな•••」

俺は可憐ちゃんのアイデアを話し出す。



仕事から帰ってテレビを点けると

近くの大学の集団暴行未遂事件が

報道されていた。

「世の中本当にろくでもないのがいるな•••」

「健ちゃんおかえり!」

「真綾もう体調は良いのか?」

「大丈夫!

 その事だけど•••

 ジャジャーン!」

真綾は満面の笑みで母子手帳を見せてきた。

「おおっ!」

「やったね!」

ハイタッチの音が響き渡った。



テレビを見ながら

「真央も誘われてたんだろう?

 危なかったな•••

 いやまぁ未遂なんだけど

 それでも事件だからなぁ•••」

「うん•••

 何だか怖くて断ったの•••

 凛ちゃんはまたショックを

 受けたみたいで•••」

「成義君が支えてくれるとは思うけど•••

 許せないなコイツら!」

「私もまだ怖いから、ゆう君が支えてね。」

「ああずっと支えるよ。」

そう言って抱き締める。

「嬉しい!」

(ゆう君ゆう君ゆう君ゆう君ゆう君ゆう君

 ゆう君ゆう君ゆう君ゆう君ゆう君••••••)



「由里子ちゃんがトラウマにならなくて

 良かったです。」

「本当だよ。

 優しい彼氏がいてくれて良かった。

 あの子も幼馴染みで恋人なんだよ。

 ノア君と同じだね。」

「本当です!

 ああ•••ミアに会いたくなりました•••」

「離れてると切ないよね•••

 元気を出して!

 今日は皆 出掛けてるから

 まだ昼間だけど飲みに行こう!

 何処が良い?」

「ありがとうございます!

 今日は蕎麦屋で

 一杯、りたい気分です!

 あの商店街のお蕎麦屋さんに

 行きましょう!

 あそこは焼き味噌を

 出してくれるから最高です!

 焼き味噌を舐めながら

 日本酒をひっかける•••

 たまりません!

 板わさに鴨鍋も良いですね!」

「ノア君渋いね•••

 元気が出て来て良かったよ。」

「今日は温かい蕎麦よりザルの気分です!

 大盛り天ざるにカツ丼

 カレーライスも食べたいです!」

「良いねぇ。

 近くにノア君の好きなお寿司屋さんも

 有るからハシゴしても良いね。」

「ノブさんは本当に有能な方です!

 そんな魅力的な提案断れません!

 回らないけど高級じゃない

 フラッと入れる街のお寿司屋さん

 大好きです!

 行きましょう行きましょう!

 ああっ!

 日本に来て良かった!」



可憐ちゃんの提案はあのバカ共を

ゲ○ポルノに出演させると言うものだった。

「女の子達の気持ちを思い知らせるの!」

と言ってたけど完全に趣味だよな•••

他3人は

「良いアイデア!」

と言っていたのでまぁ良いか•••

早速、成義がお父さん達経由で

その筋の人達に相談するとその人達も

「良いアイデアだ!

 金も稼げるし一石二鳥だ!」

と喜んでいたそうだ。

そして今日、そのDVDが届いた。

可憐ちゃんがもし撮影したらその

DVDを送って欲しいと熱望したからだ。

2人で並んでDVDを見る。


【ここから先、ホ○描写が有ります。

 御注意下さい。】


そこにはあのバカ共が裸で四つん這いになり

横一列に並んでいる。

そしてその後ろにムキムキの男達が並ぶ

同じくムキムキでスキンヘッド

ホットパンツを履いた

監督のボルケーノ山口が叫ぶ。

「さぁ貴方達あなたたち

 素敵なハーモニーを聞かせて頂戴ちょうだい!」

号令とともに一斉にムキムキの男達が

腰を振り出す!

うわぁ•••

凄い映像だ•••

隣で可憐ちゃんがナ○トの白眼みたいに

映像を見ている•••

怖い•••

映像の中では泣いてるヤツもいたが

自分が女の子達にしようとした事だ。

自業自得以外の何ものでもない。

すると可憐ちゃんが

「ねぇ青三君。

 私もお願い///」

と赤い顔で言ってきた。

そして今、四つん這いになった可憐ちゃんの

後ろで腰を振っている。

同じ体位でして欲しいとは

どう言う心理なのか俺には分からない•••

まぁ抱き合ってするのはベッドで

毎晩してるし、たまには良いか•••

と自分を納得させる。

それにしても最近 趣味に没頭し過ぎて

運動不足で大きくなったと気にしていた

可憐ちゃんの白くて丸い尻を見てると

つくづく自分はノーマルだと実感する。

映像の中でボルケーノ山口監督が

ア○ルバ○ブを指揮棒のように

振り回しながら

「最高よ貴方達!

 世界中のどんなオーケストラも

 このハーモニーは奏でられない!」

と絶叫していた。

•••うん。

俺はノーマルだな。

それからも撮影したDVDが届けられ

可憐ちゃんはその度に大喜びしていた。



「嫌だ!

 そんなの絶対無理だ!」

「お願いします!

 桜さん!」

あのバカ共がどうなったかの話で

DVD撮影の話になり

「男同士でどうやって?」

の質問に宏太はア○ルセ○クスと言う

行為を桜に説明した。

衝撃を受ける桜に

「僕達もしてみませんか?」

と提案し、この言い合いになった。

「大体、そんな所 汚いだろう•••」

「桜さんに汚い所なんてありません!

 まずは見せて下さい!」

「何で見せるんだ!

 バカッ!

 変態!

 宏太は本当に変態だ!」

「桜さんだからです!

 桜さんが本当に大好きで

 桜さんだけの変態です!」

「そ、そうか私だからか•••

 いや違う!

 そういう事じゃない!

 やっぱり変態じゃないか!」

「いつもヒクヒクといやらしく

 僕を誘っていたじゃないですか!」

「ヒクヒクとか言うな!

 誘ってない!」

その後も2人は揉めに揉め

この日は四つん這いでア○ルを見せる事で

何とかまとまった。

しかし数日後も舐めさせて欲しい•駄目だ

と言い合いになるが

【桜限定で変態になる宏太】と

【宏太限定でチョロくなる桜】では

分が悪く、その日 桜は

宏太にア○ルを舐め回された。

そしてまた数日後【ア○ルセ○クス入門】や

【やさしいア○ルセ○クス】等のサイトを

桜に見せた後の熱い説得(洗脳?)の末

宏太によって桜のア○ル処女は

散らされる事になる。

「桜さん最高でした•••」

「ここまでしたんだ!

 私の事、絶対にお嫁さんに

 してもらうからな!」

「当たり前じゃないですか!

 それに結婚して妊娠したらア○ルしか

 出来なくなりますから今のうちに

 練習しておきましょう!」

「そ、そうなのか?」

本当に宏太限定でチョロくなってしまい

結婚後も色々と押し通されてしまう桜だが

宏太も桜限定なので、何だかんだ幸せに

暮らす2人であった。



結愛を抱いた後、カーテンから漏れる

月明かりを見てカーテンと窓を

全開にする。

周りからは見えないので

二人共全裸のままだ。

月を見上げて隣にいる結愛を抱き寄せる。

今夜は特に月が大きく見えるな。

「ウフフ♡

 龍ちゃんいつもありがとう。」

「気にするな。

 俺はその為に生きてるんだ。」

先日のバカ騒ぎが落ち着いて

しばらくした夜だった。

「•••貴方といると月が綺麗ですね。」

「ウフフ♡

 死んでもいいわ。」

「年を取ってもこういう事を

 言える2人でいたいな•••」

「お爺ちゃんとお婆ちゃんになっても

 2人並んで歩いていきたいわね。」

「これからも宜しくな。」

「はい♡

 ウフフ♡」



今回の事件で凛はまた落ち込んでしまった。

そして今、凛の部屋で僕は凛を抱いていた。

トラウマが蘇ると凛は抱いて欲しいと

僕にお願いしてくる。

「私、セ○クス依存症かな?」

「相手が不特定多数なら

 そうだと思うけど•••

 僕だけなら違うと思うよ•••」

「成くんだけだよ•••

 あの体育教師に脅迫された後

 他の男に処女を奪われる位なら

 絶対、成くんが良いと思って

 抱いて貰ってからずっと

 私が不安になる度に

 抱いて貰ってるよね•••

 成くんは嫌?」

「まさか!

 ただ凛の不安に付け込んでる

 気は少ししてる•••」

「そんな事無いよ。

 成くんに抱いて貰うと不安が

 無くなるの。

 きっと好きな人だからだよ。

 •••ねえ成くん私

 成くんの子供が欲しい。」

「えっ!!!」

「私達まだ学生だけど•••

 何か証が欲しくて•••

 こんな考え方駄目かな?」

「僕は駄目だとは思わないけど•••」

ただ現状、僕達は何の力も無い学生だ。

本来なら働いて落ち着いてから

結婚して子供を生むのが正しい順番だろう。

しかし•••

情けないが自分で答えを出せなかった。

自分で何も決められない僕達が子供なんて•••

そう思いながら毎日を過ごした。

そして僕達2人は両家の親を呼んで

相談する事にした。

すると

「良いんじゃないか?」

とあっさり剛さんは答えた。

「そうね。

 どうせ結婚するつもりでしょう?

 なら予定が早まるだけよ。」

凛のお母さんのらんさんだ。

「でも僕達は何の生活力も無いし•••」

「生活力が有っても育児放棄したり

 虐待する人間だって沢山いるんだ。

 絶対安心なんてこの世に無いぞ。」

「まだ私達が手伝える元気が有る

 今の内が良いわよ。」

「父さん•••

 母さん•••」

父さんと母•真紀子まきこの言葉に涙が零れる。

隣で凛も泣いていた。

「自分で全て出来るなんて

 思わない方が良いぞ。

 なぁ正義。」(父達は幼馴染み)

「そうだ。

 全て頼りきりも駄目だが

 頼れる所は頼るのが

 賢いやり方だ。」

「皆さん、ありがとうございます。」

「ありがとうございます•••」


その後、凛は妊娠した。

大学はそのまま通っている。

高校と違い大学は子持ちの人もいる為

そこまで騒ぎにはならなかった。

妊娠してから凛は非常に安定していた。

やはり母は強しと言う事か

凛は大きく体調を崩す事も無く

家族や友達にサポートして貰いながら

毎日を過ごし、予定日を少し過ぎた頃

僕と凛の間に女の子が生まれた。

名前はれんと名付けた。

皆が祝福してくれて父さんと剛さんは

は○ぱ隊を踊っていた。(服は着てる)

剛さんはともかく、こんなにはしゃいでる

父さんを初めて見た•••

両家の家族が積極的に子育てに

関わってくれた。

僕は何も手が出せない程だった。

お陰様で勉強に集中出来て

司法試験に現役合格する事が出来た。

守るべき者がいると言う事は本当に

力が出るものだ。

「お前はやっとスタートラインに

 立っただけだ。

 これからが大変だぞ。

 だが今日はおめでとうと言っておく

 よくやったな。」

「父さん、ありがとうございます。」

「司法修習は卒業してからで良いぞ。

 休学してまでやる事じゃない。

 勉強以外にも経験を積む事が

 弁護士以前に人として大切だ。

 弁護士に限らず勉強しか

 やってこなかった人間に

 ろくなヤツはいない。

 頭が固すぎて機転が利かないんだ。

 人間余裕がないとな。」

「はい。

 しばらくは凛と蓮と過ごしたいと

 思います。」

「ああ。

 一番大切な事を見誤るなよ。」

「はい!」


その後、時は流れ僕は無事弁護士になり

父さんの事務所に入り経験を積んでいる。

子供は二人目が生まれた。

男の子で名前は大義ひろよし

凛は剛さんの会社で事務をしながら

子育てを頑張ってくれている。

僕も父親なので育児を頑張ろうとするが

両家母親が積極的過ぎて中々手が出せない。

「成くんは頑張ってくれてるよ。」

凛はいつも励ましてくれる。

父さん達も孫達に良い所を見せようと

色々と張り切っているが空回りばかりだ。

仕事は本当に出来る人達なのに•••

今日もバーベキューにそれぞれ

最高級の和牛や海鮮を用意していたが

「ウィンナーおいしい!」

と見向きもされずカ○ジの敗者のような

ぐにゃあ顔をしていた。

両家母親達に食べさせて貰っている

子供達を見ながら

「成くん。

 私幸せ•••」

と言い手を握ってくる凛。

「僕もだよ。」

そう言って凛の手を握り返した。


         完



いつも読んでいただいている皆様

ありがとうございます。

これからも不定期に更新していこうと

思っております。

こんな作品が有っても良いじゃないかと

温かい目でこれからも宜しくお願いします。

皆様の傷付いた脳や心が癒やされる事を

願って今後も書いていきたいと思います。

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