第6話 冒険者登録

「シオリ起きて‥。」


宿屋の部屋。

シオリは寝ていた。


「ん~もうちょっと‥。」


何だか珍しいな。

いつもは早く起きて、料理作ってくれたりしてたのに。


「はっ!ごめんなさい。寝ぼけてたみたい‥つい家だと思っちゃって。」


元いた世界の家の事かな。


シオリが前の世界でどんな生活をしていたのかなんて分からない。

もしかしたら、結構無理していたのか?

10歳だったら両親と暮らしている年齢だしな。


「家じゃないから、大丈夫だよ。起きられる?」


「うん。」

シオリは照れくさそうにうなずいた。


「ここ、朝ごはん食べれるんだって。」

ぼくとシオリは階段を下りて行った。

泊ったのは2階の部屋、少々高めの宿だったみたいだ。

もう少し安いところ探さないとな。


下のフロアに、大きなテーブルがいくつかあってそこで食事を食べられるようだ。

「朝ごはんお持ちしますね。」

宿屋の女性が爽やかな笑顔で対応する。

どうやら朝ごはん込みの宿だったらしい。


「んん~~!」


シオリが見たことない笑顔を浮かべる。

とっても嬉しそうに食べていた。

猫耳がピクピク動いている。


「美味しいね!」


流石、料金がお高めの宿屋だったからか。

料理も初めて見るものだった。

丸くて細長いコメというものに、焼いた卵が乗っかっている。

トマトのソースが良い味を出していた。


「はぁ~美味しかった~。」

シオリは今朝の料理がだいぶお気に召したようだ。


「今日は冒険者ギルド行くからね。」


「何しに行くの?」


「冒険者登録をするんだよ。お仕事始めないとさ。」


「そっか。」


ぼくたちはオータ町を歩いていた。

冒険者ギルドは町の中心部にあるらしい。

道路は綺麗に整備されている。


「やっぱり町は違うな。」

見たことのない物が売っている。

食べ物、服、装飾品の店もあった。

目移りしちゃうなぁ。


その中でも目立つ建物。

冒険者ギルドがあった。


「登録ってお金かかるんだっけ。」

張り紙を見ると、銀貨3枚と書いてあった。


「新規の登録ですか?」


ウサギ耳の受付の女性シエラさんに声をかけられる。

オータ町では獣人は普通にいるみたい。

白いふさふさとした耳、髪は茶色で、瞳は赤い。


「あの猫族ひとも一緒に登録しますか?」


ぼく一人だけ登録する予定だったのだが、どうせならと、シオリも登録してもらうことになった。

登録すると色々便利らしく、身分証明書としても使えるらしい。


お金を稼げればいいので、初心者用の薬草採取とかすればいいかな。

最初のDランク用の依頼を受けることにした。


「家の掃除、身の回りの世話‥こんな仕事もあるんだな。」

これだったら二人で出来そうだ。




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