私はここにいる君のポケットに、君と一緒に旅するために

多様性とは何かを考えさせられる作品。
読む前は、きみの胸ポケットには何が入っているのだろうかと興味が引かれた。
想像の斜め上いく展開は面白かった。

夏休みの終わりとともに一つの恋が終わり、友達としての関係性が生まれるも、クラスは違うし高校も一緒になることはないから、寂しさを感じつつ湿っぽくならないよう、「今日もご一緒ですか?」「今日もお綺麗ですよ」と茶化すわけではないけれども、笑って終わっていくのが素敵だと思う。

ラストの「真凛ちゃんはきっとこれからも、きみの胸ポケットにいるのだろう」この一文で、彼の胸ポケットがクローズアップされて終わっていく感じがして、上手くまとまっている。