第41話 PHASE4 その7 ちょっと休憩
「ちょっと休憩しようか。カフェ、混んでるけど入れるかな?」
少し小腹もすいてきたので、3人はカフェへと向かっていった。
軽食とかドリンクが中心のようだ。
近くには、まだ見ていないペンギンのフロアとか、オットセイのフロアもある。
オットセイの展示なんて珍しいんじゃないかな?
「冬馬くん、何とか3人座れそうですよ」
運よく早めに席が確保できた。早速3人はメニューを確認した。
「きゃ~、ペンギンのおにぎりだって。可愛い~♡」
もちろんペンギンの肉が入っているというものではなく、
海苔をペンギンの形に細工して包んでいるものだ。
当然ながら値段も安くはないが。
「このフロート、ペンギンの形をした氷が浮かんでますね。
北野さん、いい感じだと思いません?」
安藤さんもやっぱり女の子だな。こういう可愛いものには目がないようだ。
「俺はこれが気になるかな。」
冬馬がメニューを見て気になったのが、チンアナゴのスティックパンだった。
長さが40センチほどもあるとの事だ。
いっその事、石塚さんへのお土産をこれにでもしようかとも思ったが、
流石にこれを持って帰るのは恥ずかしいから却下した。
意外とメニューの種類も少なかったので悩んだが、結局各人でおにぎりを、
冬馬は追加でチンアナゴのスティックパンを。
飲み物はペンギンフロートにコーヒーフロート、クラゲフロートを注文した。
程なくして注文したものが届くと、早速撮影会が始まった。
石塚さんに見せる用の写真も、
冬馬と安藤さんが一緒にチンアナゴパンを持っている写真を夏子に撮ってもらった。
これなら納得してもらえるだろう。
夏子も安藤さんも実に楽しそうにしている。
夏子も同姓の友人と出かける事も最近なかったようだから、
いい気晴らしになっているんじゃないかと思う。
最初は安藤さんがオマケに着いてくるのはどうよと思っていたのだが、
意外にもプラスに作用しているんじゃないかと。これは嬉しい誤算かな?
「何か食べるのが勿体ないですね。」
「ちょっと混んできたから早く食べて移動しよう。」
「北野さん、女の子相手にせかしちゃダメですよ。」
安藤さんに釘を刺されてしょぼんとする冬馬だった。
まだまだ女心を理解するには時間がかかるかもしれない。
「冬馬くん、チンアナゴパン食べたくないの?」
「ああ、今から食べるよ。」
「ちょっと食べてみたいなぁ。」
夏子にせがまれたので冬馬がパンを千切ろうとしていたら、
夏子が身を乗り出してパンを銜えてしまった。
パシャ!
なんと、安藤さんが夏子がチンアナゴパンを銜えた瞬間を
バッチリとスマホで撮影していた。
「これ、パンにモザイクかけたらイヤらしく見えるかな?」
「絶対ヤメロ」
流石にそれは勘弁してくれと思った。安藤さん、油断ならないなぁ。
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