第25話 PHASE2 その12  やっぱり我慢出来ないかも

「冬馬くん、冬馬くん、起きて」

夏子が耳元で囁くように呼びかけると冬馬は、ようやく目が覚めたようだ。


「あ、ごめん、いつの間にか寝てた」

「いいよ、別に」

夏子はそう言いながら、横になった冬馬の上に跨がった。


「……どうしたの?」

「今日、大変だったでしょ?

スッキリするように私がしてあげる。それに……」


そう言うと、スカートを捲ってショーツを見せた。

そこは既に濡れており、シミが出来ていた。

「冬馬くんの事考えてたら、こんなに濡れちゃった……」



(ここは……)

目を覚ますとそこは自分の部屋だった。だが何か違和感がある。


(あれ?俺昨日何してたっけ?確か夏子と話してて……)

思い出そうとしても、昨日の出来事がぼんやりとしか思い出せない。


「ん~……まだ眠い……」

しかし、そんな事はどうでもいいかと思い直し、再び寝ようとした時だった。

(あ!思い出した!!)と冬馬は飛び起きた。

昨夜のことを思い出したのだ。


「夏子!」

「あ、おはよう。冬馬くん」

台所で朝食の準備をしていた夏子が振り返る。

(あれ?)と一瞬思ったが、すぐに思い出したようだ。

そして顔を赤くして俯いた。

そんな様子が可愛らしくて、思わず抱きしめてしまった。


「きゃっ!?もういきなり何するのよ~」

「いや、夏子が可愛くてつい。」

「もうっ!そんな事言っても誤魔化されないんだからね!」

と言いつつ、冬馬の腕の中で幸せそうな表情を浮かべる夏子だった。



(結局、昨日も夏子と…)

冬馬は昨日の事を思い出していた。

まだ頭がぼーっとしている冬馬のズボンを脱がせ、

その上に夏子が跨って腰を振る。


「あぁ……冬馬くん、気持ちいいよぉ……」

「夏子、俺も、凄くいいよ。」

お互いに快感を貪るように動く2人。

「あぁ、冬馬くん、好き……大好き……」

「俺もだよ。夏子」

お互いに愛の言葉を囁きながら絶頂を迎えようとする2人。


「あぁ、夏子、イクよ……」

「うん……いっぱい出して」

2人は同時に果てた。


(うーん、結局昨日もあんな事に…)

と冬馬は思い出していた。

(それにしても、俺ってこんなにエッチだったかな?

何か最近は自分で言うのも変だけど……積極的になってる気がするな)

そんな事を考えつつ、朝食を作っている夏子を見る。


(やっぱり、夏子の事が好きだな)

そう思うと、自然と笑みがこぼれた。


「冬馬くん、どうしたの?」

急に笑い出したので気になったのか、夏子が声をかけてきた。

「いや、何でもないよ」

と言って誤魔化したが、

「何よそれ」

と夏子も笑っていたのだった。


そんなこんなで出来上がった朝食は和食だった。

白米に味噌汁、卵焼きや鮭といった定番のメニューだ。


「いただきます」

「はい、召し上がれ」

卵焼きを一口食べると、冬馬は驚いた。


(これは、)

「これ、もしかして塩麹?」

「正解!凄いわね、よくわかったね。どう?美味しい?」

「ああ、とても美味しいよ」

冬馬は笑顔で答えた。卵焼きには塩麹が混ぜてあったのだ。


「しかし、買ったけどほとんど使ってなかったな。こんな使い方もあったのか」

「えへへ、良かったぁ~」

と、夏子は満足そうだ。卵料理は、レパートリーが多くあって得意だったりした。

(やっぱり、この笑顔がたまらなく好きだ)

と改めて実感する冬馬だった。

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