第4話 最後のわがまま

 私は手紙を書いてみた。


 短い文面の手紙。


 初孫のさっちゃんにだけ、読んでもらいたい手紙。


 でも……うん……やっぱり伝わらないかもしれないな。


 さっちゃんにとって私は、女じゃなくて、おばあちゃんなんだもの。


 それでも、誰かに思いを知ってほしくて、書いた手紙をさっちゃんに渡してしまった。


 私の最後のわがままね。


 さっちゃん、受け取ってくれてありがとう。


 他の皆には内緒にしてね、恥ずかしいから。


 おばあちゃんとの約束だよ? さっちゃん。

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おばあちゃんの内緒の恋文 鹿嶋 雲丹 @uni888

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