第4話 アルペジオ②

「ららら、らららん・・・」


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アルペジオ。


ギターや。

ピアノを弾いている方なら。


お馴染みの手法です。


ストローク奏法と違う。

和音を一音一音、分散する。


あっ・・・。


ゴメンナサイ。

何回も同じことを。


貴方は音楽が好きですか?


僕は大好きです。

小説と同じくらい。


だから。

今宵も。


どうしても。

綴りたくなったのです。


一字、一字を。

丁寧に。


君の心に。

響けば、良いですね。


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はじめに


先日投稿した「アルペジオ」の続編です。

未読の方はこちらから、御読みいただくと嬉しいです。


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第1話 寂しいですよ


「ふぅ・・・」

君のタメ息が漏れる。


アパートのドアに差し込むキーが。


上下が違って。

二度目でやっと、開きました。


真っ暗な室内。

外廊下の灯りを逆光に、君のシルエットが浮かんでいます。


今日は疲れた。


君の表情が。

そう、物語っています。


頑張ってるんだ。


何故か。

そんな風に思いました。


フッ・・・。


君が微笑んでます。

それは無邪気な笑顔ではなく。


とても。

複雑な笑み。


寒そうだ。

五月も終わりだというのに。


肩を震わせている。


≪フフッ・・相変わらずだね・・・≫


えっ・・・?

君があたりを見回している。


空耳かな?


ふと。

顔を上げる君。


僕を見つけて。

立ちすくんでいました。


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第2話 薄闇の中


「・・・君?」

君の問いを聞きながら、僕の意識は薄れていきました。


「あれぇ・・・?」

フェイドアウトした君の呟きを耳に残して。


僕の意識は戻ったのでした。


目の前には。

白と黒の鍵盤の列。


ピアノの上にある額縁には。

君と僕の写真。


あの頃の。

幼い二人の笑顔。


何年も思い続けた。

僕の夢の世界。


そう。

そう、なのです。


私の大好きだった。

君が目の前にいるなんて。


あり得ないことなのだから。


その時。

あのメロディーが頭の中で鳴った。


僕が弾いた。

アルペジオ。


君が大好きと言ってくれた曲なのでした。


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第3話 エピローグは余計じゃないよね?


「・・・うっ?」

窓から差す朝の光に僕は目を覚ました。


ピアノにもたれるように。

一晩中、弾いたまま眠ったらしい。


指にくすぐったい感触が残っている。


僕は広げた手をかざして。

見つめていた。


ららら、らららん・・・。


今もハッキリと感じる。

一緒に鍵盤を叩きながら、君が囁くように歌ったハミングが。


あっ・・・。


涙が。

頬を伝っている。


それが。

久しぶりに思い出せてくれた。


一番、幸せだった。

君との思い出の余韻だと。


アルペジオのメロディーと共に。


僕を。

優しく包んでくれたのでした。


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第4話 素敵なエピローグ


「・・・君?」

君の戸惑う表情が、泳いだ瞳の光が僕に温もりをくれる。


「どうして・・・?」

近づく僕をジッと見つめ続けているなんて。


ああ・・・。


何て。

幸せなんだろう。


やっと。

探し当てたエピソードは。


今は。

長すぎて、余計だよね。


ずっと。

ずっと、思い続けていました。


だから。

僕に綴らせてください。


二人の。

素敵なエンディングの物語を。


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あとがき


はい・・・。

すみましぇん。


またまた。

酔っぱらってます。


先日、投稿しました。

「アルペジオ」は。


酔いにまかせて。

即興でアップしました。


ワザとラストをあいまいにしたのですが。

多くの方に切ない余韻を与えたようで。


僕の気まぐれな投稿に。

御付き合いしてくれる方々には、本当に申し訳ないと思っております。


でも。

好きなんだなぁ・・・。


酔いの中で拾い出す。

「おもしろい」のかけらが。


思春期の頃の。

真夜中のラブレターのようで。(笑)


だから、今宵。

ハッピーエンドの物語を投稿したのです。


・・・が。


だめ?

ですかねぇ・・・。(笑)


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