最終話

 これで、僕らの夏の物語はおしまいだ。

きっと僕らは、これからもずっと一緒にいられるわけじゃないんだと思う。

カズは僕なんかよりずっと友達も多くて、頼りになるし、僕にだけかまってられないだろうから。

僕も医者になるために、既に猛勉強中だ。

やすぴーやたけろうも、僕らと同じように、先に向かって歩いてる。

きっと今回の話は、誰も経験したことのない、特別な物語ってわけじゃないんだ。

誰にでも物語はある。それは捉え方一つで、どんな形にでも姿を変える。

僕にとってカズは、とても特別な存在だ。

でも、もしこれから僕らが会える時間が減って、いつか全く会えなくなったとしても、僕はそれを恐れない。

だって、僕らは心のどこかで繋がってる。僕は、そう信じてるから。


え、水に沈んだ土地はどうなったかって?

どうやら、あいつが水を引かせたみたいだ。不思議なことに、辺りには水に沈んだ痕跡は全く残ってなかった。

結局、あの山は何だったんだって?

それはまた、別のお話。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

地底と海底に新天地を 爆裂五郎 @bi-rd

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ