第2話 俺の名前は――

 続きです。

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 異世界に来て初めての朝を迎えた。まあ朝といっても、赤ちゃんの体は不思議なもので、起きたのは昼過ぎだった。

 今日は昨日に比べ、部屋が少し騒がしい。何やら使用人の話を聞く限り、家族全員へのお披露目が行われるらしい。てか普通にスルーしてたが、俺この世界の言語理解できてるな…転生特典というやつか?


 そんなことを考えていたら、使用人の一人が近づいてきて、俺は風呂に入れられ、服を着せられ、と、着々と準備は進められていった。


 そしてお披露目の時。

 俺は扉の前にいた。


「失礼いたします。坊ちゃまをお連れ致しました」


「入ってよいぞ」


 ギイイ。大きな音を立てて扉が開かれる。

 そして扉を開けた先には…


 あのダンディーイケメンに美女、それに20歳くらいだろうか。青年が一人と10歳くらいの少年が一人いた。


「さあ。こちらに連れてきてくれ」


「はい」


 俺は最初に、ダンディーなイケメンに抱きかかえられた。多分この世界での俺の父親なのだろう。


「うむ。なんともかわいらしい!リリー。本当によくやってくれた!」


「あなた。私にも抱かせてくださいな」


 次に俺は、美女に抱きかかえられた。こちらは母親だろう。


「まあまあ。元気そうな子ですわね!」


「父上、母上、私もよろしいですか?」


 今度は青年に抱きかかえられた。この人は兄かな?中々にかっこいい。


「私の二人目の弟…!」


「兄さま、僕も!僕も!」


「わかったわかった。少し落ち着け」


 最後に、少年だ。この子は中々にかわいらしい顔をしているな。これはオタク受けするな。つか男率高え…


「うわあ…!小さくてとってもかわいいです!」


 少年は目をキラキラさせてそう言った。かわいい…

 様子を見る限り、家族仲はとても良好そうだ。この家に転生したのはとても運がよかったな。


「父さま、母さま。この子の名前は何ですか?早く知りたいです!」


「おお、そうだな。そろそろ教えてやろう。この子の名前は…


 アリオスト。アリオスト・レグシェルだ。我がレグシェル伯爵家の新しい家族だ!」


 アリオスト・レグシェルか…それがこの世界での俺の名前。いいね。かっこいいじゃん。

 てか伯爵家って言ったな。やっぱ貴族だったか。身分的には真ん中らへんかな。まだわからんけど。


「アリオスト…良い名ですね!」


「アリオスト…それなら、アーリーですね!」


「アーリーか。うん、いい響きだな!」


 この世界では愛称もあるのか。ま、貴族の名前とか長そうだもんな。あれかな、親しい人にだけーってやつかな。


 お披露目が終わった俺は、家族たちと楽しい時間を過ごすのだった。

 ずっと抱きかかえられてるだけだけど。


 知らないうちに転生していた俺、新庄爽の、いや、アリオスト・レグシェルの人生が始まった。

 

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 1話と2話は短いうえにチート要素ないですが、次からはもうちょい長くなるし、チート要素も入れる予定です。


 次回:この世界について。


 またお会いしましょう。ではでは~

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