協定締結
アルスと宰相はナーク宰相の待つ応接室へとむかった。
応接室に入るとナーク宰相が笑顔で待っていた。
「ナーク宰相、お待たせしました。」
「これはこれは、リータ宰相それにアルス大臣お久しぶりです。」
互いに面識があるため、軽く挨拶をしてから交渉は始まった。
「リータ宰相、この度の協定内容、マリアナ王国としては答えが出ましたか?」
「はい、マリアナ王国としてはこの度の協定是非とも結ばせて頂きたいと考えています。」
「おー、それはありがたい。リース帝国としても同じ思いです。」
「それは良かった。マリアナ王国としては貴国の技術力はとても魅力的です。」
「こちらとしても我が国の技術を使用した新たな魔導具を提供いただけるのですからこちらとしても魅力的な協定内容です。」
「では早速調印を…」
協定締結式を行う。
宰相はそういうと協定締結書を2枚出し、片方をナーク宰相に渡し、交互にそれぞれのサインを記入し、協定は締結した。
アルスは協定の見届け人として双方の締結書にサインをした。これで協定締結式は無事終了した。
そして口を開いたのはナーク宰相であった。
「そういえばアルス大臣に皇帝陛下より手紙を預かっております。こちらを…」
そういうとナーク宰相は手紙を渡してきた。
アルスは早速手紙を開封して読み始めた。
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マリアナ王国
外務・商務大臣 アルス・フォン・サーナス伯爵
お久しぶりです。
手紙にて相談したいことがあります。
それはマリアナ王国への公式訪問をしたいためです。
アルス大臣との出会い以降、帰国と我が国の絆は強固なものになりました。今後とも貴国とは良い関係を築きたいと思います。何卒、訪問に向けてご助力いただきますことよろしくお願い致します。
アルス殿にも会いたいので…
リース帝国
皇帝 ハルナ・ナム・リース
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最後の言葉に少し驚いたが、読み終えたアルスは宰相に早速内容を話す。
「宰相、皇帝がマリアナ王国を公式訪問したいと…」
「なんと、皇帝が!」
宰相も驚く。
「皇帝陛下はまだお若く、他国のことをあまりよくご存知ありません。そこで最初の訪問国にマリアナ王国を選ばせて頂きました。是非とも受け入れて頂きますようにお願い致します。」
ナーク宰相は頭を下げた。
「ナーク宰相頭をあげてください。すぐに国王陛下に伝え、検討に入りたいと思います。貴国との関係を考えると実現すると思いますので…」
「リータ宰相、よろしくお願い致します。」
こうしてナーク宰相との会談は終了し、ナーク宰相は部屋を後にした。
残されたのはアルスと宰相のふたりだ。
「そういえばナーク宰相はしばらくの間マリアナ王国に滞在されます。その間に国鉄とノスタ領のショッピングモールを視察したいとのことです。」
「そうなのですね。我が国の力をぜひ見て頂きたいですね。」
「そこでアルス大臣、ナーク宰相の案内係をお願いします。あなたほど詳しく説明できる方はいませんので。」
「えっ、僕ですか!?」
アルスは突然の依頼に驚く。
「では頼みましたよ…」
こうしてアルスは後日、ナーク宰相の接待をし、ナーク宰相は帝国へと帰っていた。
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