新交通手段
宰相とノスタ財務大臣からの要望は王都サルサ内の新たな交通手段の確保であった。
アルスは前世の記憶からなにか良い案はないか考える。
例えば列車であれば路面電車を整備することも可能である。サルサの街程の規模であれば路面電車があれば移動はかなりしやすくなる。しかし、サルサの街は各区画事にエリアが指定されておりあまり整備しても効果は見込めない。
そこでアルスは1つとても便利なものを思いついた。
「宰相、ノスタ財務大臣。良いものを思いつきました。3日程お時間を頂けますか?」
「はい、いいですよ。」
「うん、楽しみにしてるよ」
宰相とノスタ財務大臣は笑顔でこたえ、アルスは王城を後にした。
______________________________
アルスは屋敷に戻る。
そして急ぎ検索スキルを使用した。
「自転車を検索!」
アルスが検索しようとしたものそれは自転車であった。
自転車は乗った人が両足でペダルを交互に踏み、車輪を回しながら進むようにつくられている軽便な車両である。前世の世界では子供から大人まで幅広い年代の人々が日頃から利用していたとても便利なものである。
アルスは自転車に必要なものを紙にまとめ、ナットに手渡した。アルスとしては自転車と言ってもただの自転車ではなく、いわゆる電動自転車を魔道具として作り出したい考えたのだ。
「ナットさん、次はこの魔道自転車です!」
アルスは魔道自転車と名付けた。
「アルス大臣閣下はとても面白いものを考えられますね。」
手渡されたものを見てナットは感心している。
「では早速作業に移ります!」
そういうとナットは急いで工房へと戻っていった。
これで魔道自転車は無事完成はする。
しかし、アルスはこの魔道自転車で新たな公共交通を作り出さなければならない。
だが、その点もアルスとしては既に考え済みである。
「シェアサイクルを導入してみようか…」
アルスはぼそっとつぶやく。
シェアサイクルは、一定のエリア内に複数配置された自転車の貸出・返却拠点において、自転車を自由に貸出・返却できる交通手段である。
魔道自転車をサルサの各地に配備し、料金を払うことによって使用出来る仕組みにするのだ。
各拠点には人員を配置し、魔道自転車には盗難を防止する魔道センサーを取り付ける。魔道センサーは魔石を加工し、魔道自転車独自の魔力を放つようにし、魔力感知によって識別できるようにする。また、王都の外に魔道自転車を持ち出せないように検問所と連携もする。
こうすることでこの世界でもシェアサイクルが可能となる。
「これできっと納得のいく交通手段になるはずだ!」
あとは魔道自転車の完成を待つだけとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。