Fragments of my life

寧楽ほうき。

Truth must not be covered up.

Why am I alive?

1.in hell

 自分に残っている一番古い記憶は3歳の頃のものから始まる。事あるごとに父親から無意味な暴力を振るわれたり、暴言を浴びせられたりしている日々の記憶だけが残っている。

 

「お前みたいな頭の悪いゴミは、庭の犬小屋でわんわん鳴いとけ!服なんかも着る必要ないやろ!」

「お前みたいなやつは学校なんか行かんと、自衛隊になれ!そうしたらゴミでもクズでもちょっとは人から感謝されるやろ!」

「こんなバカに何させたってどうせ無理やろ」

「お前はほんまに何も出来ひんノロマやなぁ!」

「言うこと聞けへんねんやったら追い出すぞ!そんな頭の悪い子は知りません!出て行け!」


 ただの幼稚園児に『完璧』を求めていたのか、それともただの憂さ晴らしなのか、常に僕は否定され続けていた。

 4つ離れた優秀な兄が居たということも関係あるのだろうか、それと比べると確かに僕はただの無能に映ったのかもしれないが、理解出来ない暴言に耐えられる筈も無かった。

 それに合わせて、暴力も振るわれる。『元ヤン』と呼ばれる存在である父親からすれば、他人に暴力を振るうということは至極当然のことなのであろうか。

 身長180cm以上、体重100kg前後の男——力加減を知らない男からの暴力は幼子にとっては絶望のひと時であった。

 ご飯を食べている時、顔を上げて少しテレビに視線をやっただけで殴られる。

  自分は良くて他人はダメ。そうやって常に自分のことを棚に上げてばかりの父親に対し、幼い純粋な心は疑問を抱き、指摘すると殴られる。

 ほんの少しでも自分にとって都合が悪いことがあると殴られる。

 勉強をしている時、何故か突然殴られる。そして、意味も分からず涙を流す僕の顔を覗き、楽しそうに『泣いてんのか?』と問うあの醜い顔が忘れられない。

 ただ、そんな日常が当たり前だと信じきっていた幼い僕は、何も不思議に感じることは無かった。常日頃から自分を否定され続け、憂さ晴らしに暴力を振るわれる。それでも、守ってくれる人は居ない。そんな地獄が当時の僕にとっては当然のことであった。

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