未来を生きる君へ

うぇい

本編

俺の名前工藤優太。高校2年生で体が弱い以外特に何も飛び出たものは無い普通の学生である。

俺は登校中にある家のインターホンを押した。


ぴーんぽーん


「おーい早くしねぇと遅刻するぞー」


バン!


勢いよく扉を開けたのは幼なじみの鈴嶺蓮花で同じ高校のクラスメイトである。今日も寝坊したらしい。いや毎日その時間なら寝坊って言わないのか?...


「優太ぼーっとしてるけどなんかあった?」


「なんもねーから行くぞ」


学校に着いたら早速授業が始まった。全く楽しくない時間だった。正直ずっと蓮花の方を見ていた。正直に言うと俺は蓮花が大好きだ。全く俺は誰に向けてこんなこと話してるのかな。


三限目の古文が始まったまったく古文を習って何になると言うのだ。そんなことを考えながらぼーっとしていると急に胸が苦しくなって吐き気や目眩に襲われた。そしてだんだん意識が無くなっていった。

目が覚めると見覚えのある天井が見えた、そう病院だ。横にはいつもなら安心したような顔をする両親が今にも泣きそうな顔で俺を見ている。すると奥の方から医者が来てとんでもない発言をした。


ー「貴方の寿命は2週間です。」ー


頭が真っ白になった。だがそれも一瞬、その次に出てくるのは不安や怒り悲しみである。


俺が死ぬ?この先どうなる?苦しくなるのか?痛みが出るのか?なぜ俺は死ななくては行けない?なにかしたのか?


言いたいことは沢山浮かんだ。でも言っても無駄なことはわかっていた。俺はとりあえず気になったことを聞いてみた。


「俺の体はどうなって行くんですか?」


医者の話をまとめると俺は持っていた持病が複数悪化してしまっていて、これから徐々に体が動かなくなっていき最終的には死ぬらしい。ちょっと落ち着いて来ると色々考えることがあったがなんかどうでも良くなってきた。どうせ俺はもうすぐ全て失う。

そんなことを考えていると


バン!


勢いよく病室の扉が開いた。俺はこの音を聞いてまさかと思って扉の方を見るとそこには見覚えのある人物が居た。そう蓮花だ。


「優太!」


蓮花は大粒の涙を流しながら俺の名前を呼んだ。

蓮花は泣き顔も可愛いよな〜

「蓮花は泣き顔も可愛いよな〜」


「優太?こんな時にどうしたの?」


あ、やべ口に出てた...

蓮花がこんなに泣いているということは俺の親あたりかた全部聞いているのだろう。余計なことをと思ったけど俺が自分から蓮花に言える気はしなかったから良かったのかもしれない。


「来てくれたのか?ありがとう」


「当たり前じゃん、ごめんね優太がこんなに辛い思いしてるのに何も出来ない...」


その日から蓮花は学校を休んで毎日一緒に居てくれた。俺は蓮花と話してる時だけは空いた心の穴が塞がってるような気がした。俺の体はもうほとんど動かないし喋るのも微かな声しか出ない。もう死期は近いのだと思うと死ぬのが怖くなってくる。蓮花は俺を優しい目で見てくれている。


「蓮花、大好きだよ」


俺は口に出してしまった。

微かな声でも蓮花にはしっかり伝わったようだ。


「え、」


蓮花がどんな顔をしていたのか俺は見ることが出来なかった。


高校2年生16歳工藤優太は亡くなった


〜終わり〜


初投稿というわけで1話完結の短いお話にさせていただきました。1話完結という訳で内容が薄くなっています。


















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