二学期編

第11話夏休み開け


朝、何時もより、早く目が覚めた。

(うーあ)

夏休呆けの体を何とか、起こして下のリビングに向かった。

(おはようざいます)


(おはよう)


(早いわね)


(顔、洗って来なっさい)


(ふーい)

母に言われて、洗面所で顔を洗うと、すっかり、目が覚めてもう一度、リビングに向かうと、朝食が出来上がっていた。

(由衣ちゃん来るわよ)


(ふーい)


(いただきます)

5分くらいで、食べ終わり、身じたくを整えたと同じくらいに、インタホンの音が。

(ほーい)


(え)

由衣は、驚いた表情で、カメラを見ていた、この顔を見れただけでも、今日早く起きたかいがある。

(驚いた)


(今いく)


(分かった)

由衣は、直ぐに何時もの調子に、戻って話しを進めた。

(お待たせ、しました)


(驚いた、真二が出るん、ですもん)


( いや〜彼女を待たせて、捨てられても、困りますから)


(あら、そう)

付き合って、彼女になっても、由衣は由衣だった。

(冷たいな)


(何時も、どうりでしょ)


(まぁ、確かに)


(何よ、不満そうね)


(いや~僕たち付き合ってますよ)


(少し、優しさを)


(そうね)


(今日、少し冷えるわね)


(そうか)

次の瞬間、由衣が手を握って来た。

(ふぁ)


(これで、良いかしら)


(はい)


(ふふふ)

ビックリしすぎて、思わず返事をしてしまった。

(どうしたの、笑い)


(いや、その)


(ほら、行きましょう)


(はい)

何だか、由衣にして、やられたようだが、まぁ良いか。

幸せお噛み締めながら、気づけば、最寄りの駅についていた。

(何、ぼーとしてるのよ)


(いっやあ)


(はい、ここまで)

由衣は、まるで子供に言って聞かせる様に話して手を解いて、改札に向かった。

学校の最寄り駅に付いてからは、何時もどうりの通学だった。

そして、由衣と教室の近くで、別れてクラスに入ると、クラスメイト達の夏休みの話が聞こえて来た。

そんな、クラスメイトたちの話しを聞きつつ、少しの優越感を抱きながら、自分の席に座ると、友人の古賀 唯斗が話しかけて来た。

(何だよ、ニヤニヤしてキモいぞ)


(よ、古賀)


(その顔、夏休み中に良いこと、あっただろう)

(有っても、教えないわ)


(ケチだなー)


(ケチで結構)

(まぁ、大方、腰越さんと上手く行ったんだろ)

図星である、こいつ変な所で鋭い。

(図星か)


(そうだよ)


(そりゃ、良かった)

古賀は、笑顔で祝ってくれた。

(お前良い奴過ぎて、腹立つわ)


(何だよ、普通の事だろ)

本当に、同い年とは、思えないくらいに、良い奴だ。

(腰越さん泣かしたら、許さんぞ)


(言われ無くても、泣かさんわ)


(それ、聞いて安心したわ)

そう言うと、古賀は、自分の席に戻って行った。

その後は、お昼を由衣と食べた以外、普通に何時もの、一日を過ごした。



















































































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