ハロワでバトル①こんな経験をした人は、いますか?異次元の、ミステリー世界。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 似た経験したを人、手を上げて!大学院を出た40歳すぎの男が、ハロワにいって仕事を探したら、こうなった。日本のあるあるリアルだ!

 「え、どゆこと?」

 ハロワは、ミステリーホラー。

 なかなか、まともな相談にたどり着けない。

 ここに、求職活動に燃える男がいた。

 長男が生まれ、がんばらなければならないっていうときに、学習塾の講師の仕事がなくなってしまった男、ツバキ。

 求職活動のリアルは、厳しかった。

 書類を送り、面接までいっても…。

 最後には、面接官のおじさんに、瞬殺されるのがオチ。

 ゆとり世代とかって、そういう厳しさを、知らないだろうなあ。

 「あなた、40歳すぎ?大学院を出て、無職なの?これだから、シューショクヒョーガキ世代は…」

 世代がちがえば、考え方からちがう。

 ハロワにいって、バブルなおじさん世代が相談員になったら…。

 「詰むぞ」

 問題は、朝からだった。

 ハローワークの駐車場から、ツバキは、悲劇。

 「ご利用の方、ですか?」

 「はい」

 「まだ、朝早い時間ですしね。ハローワークは、開きません」

 「はい」

 「駐車場は、開けていますがね」

 「はい」

 「あなたの、名前は?」

 「…は?」

 「年齢は?」

 「40と、少し…」

 「職業は?」

 「無職です」

 「何だって?」

 「無職だから、ハローワークにきているんじゃないですか?」

 「あなた、所持金は?」

 「はい?」

 「いくら、もっているの?」

 「それじゃあ、金を出せって言っているように、聞こえます」

 「うるせえな。警察だぞ?コームイン様、なんだぞ?」

 今どきの警察官って…。

 あるんだぞ?

 こういうこと、本当にあるんだぞ?

 「…私は、警察官なんだぞ?」

 「あ、私って言うんですね。本官…って、言わないんですね?」

 「今は、言わねえんだよ」

 「漫画やTVドラマで、本官は、この国の平和を守ります!みたいに、言っていますが」

 「そういうシーンを作っているやつが、アホ」

 「そうなんですか?」

 「本官は…って、今の警察官は、言わないんだよ」

 「へえ」

 「あなたは、駄菓子屋にいって、うまい棒を100,000本買えますか?」

 「…」

 「買えないはずだ!」

 「…」

 「警察官は、強い!戦闘民族なんだ!」

 「警察官って、うまい棒で、戦闘力を測るんですか?」

 「うるさいんだ、ポポポーン!」

 「…」

 「そう、そう」

 「…何ですか?」

 「ドラマとかには、取調室で、カツ丼が出てくるシーンもある」

 「はい。これを食べて、知っていることを話しなさい…ですか?」

 「現実には、あのシーンも、あり得ないんだよ」

 「そうなんですか?」

 「ああいうことをやる警察官が、昔、いてだな…」

 「はい」

 「弁護士に、カツ丼をあげるのは利益供与じゃないのか?と突っ込まれてからは、やっていない」

 「どういう意味、です?」

 「だって、あなた?カツ丼をあげるから自白しなさいって、相手を、物で釣っているようなものでしょうが?」

 「ああ。そういう意味、ですか」

 「皆、わかってくれないんだ!ポポポポーン!」

 「…」

 「警察官は、ほめられて伸びるタイプなのに!」

 「…」

 「といっても」

 「はい」

 「本当に、死にそうなくらい腹が減っていれば、別」

 「え?」

 「そのときは、法律上の権利として、食事を配達してもらうことはできる」

 「へえ」

 「警察は、素敵だろう?」

 「…」

 「何か、よこせ」

 「…」

 「よこせよ」

 「…」

 「40歳をすぎて、無職だと?」

 「…くそ」

 「ひひ」

 「では、素晴らしい警官様に、これを差し上げます」

 「これは、何かね?」

 「超激辛まんじゅうです」

 「おお。いただきます…」

 「辛いですよ?」

 「…ぐわあ!」

 「だから、辛いって言ったのに」

 これが、朝の出来事。

 そうして、今!

 やばいおじさん職員とのバトルに、つながる。

 「ほう。仕事を、なくしたんですか?」

 「そうなんです」

 「正社員も、つらいねえ」

 「いえ。契約社員でした」

 「え、え?正社員じゃなかった?大学院卒で?」

 ハロワで、頭のくる経験をした人は、どれくらいいますか?





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