空白に鎮座する巨大迷宮

長月瓦礫

空白に鎮座する巨大迷宮


書きかけの地図を埋める。

こうして明日を生き延びていく。


ブドウ糖を片手に、タブレットに表示された書きかけの地図を見る。

昨日の迷路をどれだけ早く進み、地図を埋められるか。

姿が見えない守護者との戦いだ。


少しでも多く地図を埋めれば、そこが陣地となり、安全地帯となる。

何度も何度も壁にぶつかりながら進む。右手を頼りに探す暇もない。


夜になる前に少しでも迷宮を探索しなければならない。

守護者は迷宮における絶対的存在であり、秩序である。

迷宮の守護者に見つかったら逃げられない。

数万人が数千人、数百人、数十人、と数を減らしていった。


「見えた、ここだ……!」


下へ続く階段を発見し、慎重に下った。


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空白に鎮座する巨大迷宮 長月瓦礫 @debrisbottle00

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