「正しいこと」とは何だろうか。

 誰かを悪から守ることだろうか。

 悪人を追い詰めることだろうか。


 「優しいこと」とは何だろうか。

 誰かを苦しみから救うことだろうか。

 苦しみの原因を責めることだろうか。


 正しく、優しくあれば、後悔せずに済むのだろうか。

 いつも正しく、優しくあれなかったことは、責められるべきなのだろうか。


 一時の感情、一度の不幸、一瞬の悪意――

 自分だけが抱える真実が、何かの拍子に記憶の彼方からよみがえっては、心を底知れぬ闇に引きずり込む。


 それは、断罪だろうか。

 誰に、裁かれているのだろう。

 誰が、許してくれるのだろう。


 消えない過ちを背負った者達は、

 闇の底で、光を求めた。

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