第5話 温海と温泉

 プールで冷えた身体を温めるために今度は温泉に来た。

この施設のメインは温泉で、日帰りだけでなく宿泊も可能。

宿泊と言っても部屋数は少ないけど、この辺りのホテルの相場より

1000円ほど高いけど温泉に入れるだけなく、ジムとプールも利用できるの実質的安いみたい。

駐車場に止まっていた車のほとんどは温泉利用者なので、プールよりも

温泉の方が混んではいるが、時間的に入浴している人は少なく浴場は空いていた。


 温泉に来たのは冷えた身体のもあるけど。プールのカルキ臭を取りたから

髪と身体を洗いたいのもある。

洗っても外に出たらまた汗をかくけど、それでも一度さっぱりしたい。


身体と髪を洗って温泉に入るけど、ちょうどいい温度で気持ちがいい。


「あー、温泉はいいなー」

「何年寄りみたい事いってるの」

「温泉の気持ちよさに年齢は関係ないよ~」


この温泉はすこし色がついているが、源泉かけ流しらしい。

源泉かけ流しがなんでいいかわからないが、気持ちいからなんでもいいか。


「そういえば、温海がツインテールじゃない所初めて見た」

「そんな事ないでしょ、夕の所にお泊りしてるし」

「そういえそうだった。それでも、外で髪を解くことないよね」

「そうだけど、外で髪を解く事ッてないわ。あと、一緒にお風呂にはいるのも初めてだったわね」

「なんかその言い方は卑猥だな」

「あたしの言い方が卑猥じゃなくて、文乃が卑猥なだけでしょ」

「そうだね~」

「卑猥なのは認めるのね」

「正直言うと、疲れて受け答えが面倒なだけだよ~」

「そういうことね」


温海は呆れるが、プールで2時間ほど遊んで結構疲れた。

それに、冷えた体に温泉は気持ちい。


「そういえば、文乃ってほとんど隠さず堂々としてたわね」

「一応、下は隠してたよ」

「胸は見られても平気なの?」

「お風呂じゃ平気だよ」

「そうなのね。あたしは……なんでもない」


温海は私の胸をちらっとみたが、また胸の話かな。

わたしは一応Cカップあるけど、夕と比べたら小さいしCカップで普通というか

何とも言えないサイズなのがね。


「温海は胸のサイズ気にしてるの?」

「なによ、唐突に」

「プールの時も今も、わたしの胸をちらちら見てるから」

「やっぱり気づいてるよね……」


同性と言っても、胸を見てる視線はやはり気になる。

温海の場合コンプレックスで他の女の子の胸が気になってるけど。

でも、温海の場合それだけじゃなくて、なんていうか……男子と同じ感じに

胸を見てる時がたまにある。

洗い場でも隣でチラチラ見てたけど、体型が気になってるのもあったけど

あきらかに胸の先端を見てたしね。

もっとも、わたしは胸を見られても平気ではあるんだけどね。


「わたしのサイズは大きくもなく小さくもないから、むしろ半端かな」

「半端でもあるだけいいじゃない。あたしなんてこれだし」

「そう言われたらなにもいえないけど、夕のを見るとね」

「夕は特別だって。中学の時からあのサイズだし」


話しに聞いていたけど、中学生であのおっぱいとはね。

写真も見せてもらった事があるけど、中学であれはギリギリアウトって感じ。

何がアウトかは置いといて、夕が大きいから余計に気にするんだろうな。


「お母さんもお姉ちゃんも身長も胸も大きいのに、なんで私だけ……」


温海のお姉さんには何度かあってるけど、胸も大きく身長も夕よりちょっと高かったな。

お母さんにはあった事ないけど、お母さんも大きいと確かに気になるか。


「でも、温海は温海でかわいいし、ツンデレツインテールキャラって

勝手だけど、貧乳で背が小さいイメージがあるんだよね」

「褒めてるのかけなしてるかわからないけど、あたしらしいって褒めてる事にするわ」

「温海のキャラに合ってるって事だよ。それにかわいいのは事実だし」

「な、な、な、何言ってるのよ」


温海は背中を向けるが、これはかなり喜んでる。

なんていうか、本当にテンプレツンデレキャラだな。

ただ、ちょっと古めのツンデレキャラって感じもしなくはないけど。

ま、可愛いのは本当だしね。


「そういえば、文乃は兄や姉とかはいないの?」

「あれ、兄と姉がいるって言ってなかったけ」

「言ってたら覚えてるわ。覚えてないって事は、聞いてないって事よ」


言った気がしたけど、温海と夕には言ってなかったみたいだな。


「文乃も末っ子なのね」

「そういえば、温海も末っ子だったね。でも、そんな感じがしないかな」

「文乃は末っ子って感じがあるって言うか、自由よねなんか」

「自由って言うか、思った事を実行しているだけかな」


わたしは思った事があったら、実行するけど今の学校には入学したのは

百合カップルが多い噂を聞いて、リアル百合カップを見たかったため。

正直、わたしの成績じゃ入れる学校じゃなかったけど、

1年間しっかり勉強して、ギリギリだったけどちゃんと入学できた。

入学しても授業について行けるかわからなかったけど、意外と大丈夫だった。

どうやら、受験勉強で勉強のコツを覚えたようだ。

それに、夕と温海と出会えたのだから、頑張った甲斐もあった。


「それもある意味自由よね」

「親もわたしのやりたい事をやらせてくてるから、確かに自由かな」

「あたしも自由と言えば自由かな。夕との関係も認めてもらってるし」


温海も過去に色々あったみたいだけど、夕との関係も認めてもらってるそうだ。

ただ、付き合ったら別れなって言われてるそうだけど。

つまり、好きになったら添え遂げろってことらしい。

要はすでにパートナーとして認めれ貰ったってことかな。

ただ、まだ高校生だし、この先一生一緒にいるのは難しそうだけど

夕と温海ならば大丈夫な気がするけど、なんかしんみりしてるな。

せっかく、一緒に温泉に居は言ってるからイチャイチャするんじゃなかったのかな。

いや、温海とわたしは恋人じゃないから、イチャイチャするのはどうだろう。

周りにはい人がいないから、チャンスではあるけど。


「温海って、夕と一緒にお風呂に入った事ある?」

「あるし、ここにも2,3回来た事あるわ」

「そうか。お風呂でイチャイチャしたりするの?」

「は、何言ってるの?イチャイチャなんて……」


温海がまた背中を向けるが、これはまちがいないしてますね


「してるって事ね」


わたしがはっきり言うと


「ええ、してるわよ。夕のおっぱいさわったり、うずめてたりしてますよ」


温海は聞いてない事まで自分で言いだしたけど、そんな事してるのか。


「いや、してるって言うだけでよかったんだけど、そんな事してるんだ……」

「そ、そ、そ、そ、そ」


温海はそしか言わなくなったが、温海がこうなる時は性的な意味合いもあるけど

キスより先に進んでないって言ってませんでしたか?


「本当はキスより先に進んでる?」

「す、す、す、すすんでないわよ。気になるから触らせてもらってるだけだし

夕が抱きついてくるから、不可抗力でおっぱいに顔がうずまるだけよ」

「そう言う事にしてあげるね」

「文乃ものわたしがそう言う事ダメなことわかってるでしょ」

「わかってるよ。ちょっとからかっただけ。顔が真っ赤だよ」

「まったく、文乃は。赤いのはのぼせたからよ、そろそろ出るわよ」

「そうね」


実際、結構浸かっていたから本当にのぼせそうなので温泉を出る。

温泉を出たあとは、休憩室で2人で横になってたけど、気づいたらちょっと眠っていた。

プールで遊んで、温泉に入ったから眠くったみたいだけど、時計をみたら17時20分になっており、今から温海の家に向かえば丁度18時につくぐらいの時間になっていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る