イフ04 三番目と四番目の選択肢



 黒い箱のような外観をした研究所の中の一つ、プレス研究棟。


 そこに勤める研究者キルトは、毎日二人の研究対象を観察していた。


 一人は赤い髪の少女。


 もう一人は青い髪の少年。


 七歳ごろにつれてこられて、三年間隔離され続けている。


 キルトは、そんな二人を、たまに秘密で出会わせていた。


 二人は記録には残らないが、互いにこっそり出会って、話をしたり遊んだりしていた。


 そして、それからさらに二年経った。


 二人は、生き残った方がここから出られる、と言われてナイフを渡された。


 二人は、無言でうなずいた後に、ナイフを渡した研究者に襲い掛かった。


 その後、駆け付けた警備員にとりおさえられ、再び同じ問いをかけられて、同じ道具を差し出されたが、二人は今度は命を絶つ事を選んだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ニエ=ファンデの研究棟 プレス研究棟 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ