喪失の悲しみを歌う悦びに変えていく、美しい物語

才能に恵まれた2人の女性がお互いを高めあい、愛し合い、そしてある出来事を期に関係に変化が訪れる。愛する人が離れていく恐怖、溜まっていく不満、衝突、別れ……そこに至るまでの心理描写がとても秀逸でした。

そして一言……これで高校生ですか?!
私は高校生の時、こんな凄い文章書けませんでした!
物語の纏まり、一文一文のテンポの良さ、言葉のセンスと表現力……すごい才能だと思います。

かといって語り口に癖があるとか妙に大人びすぎているというわけでもなく、巧さを誇張しすぎない自然な文体で、とても読みやすい。かつ思春期特有の瑞々しい感性が随所に滲み出た、素敵な物語だと思います。

今だから言えるのですが、高校生の時の感覚は特別なものなので大切にして欲しいですね。

これからも頑張ってください。