その9-黒原さんside

【「8月のとある日」に戻る】

「たまに開けるとさ、下着が置いてあって、毎日じゃないんだけど、今日は当たりだったんだよね…」

「そんな…かみしめるように言われましても…」

 知らなかった、私以外にあのコピー機に夢中になっている人がいるなんて。


「今日は結構いいやつだったから、さっき貰って履いちゃった」

「そういうシステムなんすね…」

「先週はスポーツブラがあったり、この前は完全にTバックがあったりして、楽しいよ。黒原さんも覗いてごらん」

 知らない間に…弓木さんに先を越されていた…。終業式の日に見つけたランジェリー、まだ続きがあるなんて…。


「はぁ…そうですか…」

「何で敬語なの?」

「いや…特に…何でもないよ…」

 夏休みなのに、より一層学校に行かなければいけないじゃないか…。

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