あなたを思い出す度に、何度も涙が滲んでくるのです

お別れの時間をするための、夢みたいな邂逅。
思いを告げてもすぐにお別れは悲しいけれど、通じあえた瞬間は永遠である。

書き出しの一連のホームルームの出来事が、これから始まる物語全体を描いている感じがする。
学校帰りに墓地へ行くのは、一種の儀式のようだったのだろう。

きっと、気持ちを伝えたら成仏する約束で、期限は一年とされていたのだろう。
長く会っていたくて、他愛もない理由をつけては過ごしてきたに違いない。

さようならが、実に切ない。

別れには、目一杯の笑顔で見送ることを、本作は教えているのかもしれない。