第3話

「よくきてくれました。4人の魔女よ」


 ローラ姫が歓迎すると、魔女の一人が姫の手を強く握った。すると、淡い光がバルコニーに溢れる。


「お前たち二人は国を救いたいのだろう。助言と力を与えようぞ。永遠の眠りでの死の超越。国は栄え。争いも途絶え。永遠に生きるのだ」


 もう一人の魔女の両手から光が溢れた。


「姫が眠ったならば、今度はお前が数年後に眠りにつく。お前が数年後に眠ったならば、今度は姫が眠る。さすれば、国が滅びることはない」

 4人の魔女はそれぞれ贈り物を姫に渡した。

 

 国が救われた。

 強国は魔女の大いなる幻影の竜巻で消滅した。

 俺と姫はお互いキスをすれば、どちらか一方が起きるということになった。勿論、どちらか一方は眠ってしまう。年もとらず。死ぬこともなく。




 何十年。何百年。何千年と時が過ぎて、俺はついに姫にこう言った。


 「おやすみ」と……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

四つの贈り物 主道 学 @etoo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ